減衰力は絶妙の味付けで間違いなく万人受けするセッティング
265/70R17タイヤを履いたファイナルビーストのJB64。ザックリとした計算で純正タイヤよりも90mmワイド、120mmビッグなサイズだ。さらに3.5インチアップコイルスプリングを装着するから、ドライビングシートからの視点はかなり高くなっている。ショックアブソーバーは8段階の減衰力調整が可能で、まずはフロント、リアとも「4」で試してみることに。
低中速域での乗り心地は実に快適。かなりマイルドな乗り味で、路面のギャップを乗り越えてもハンドルを取られたりふらついたりしない。強くて速い衝撃を受けても乗員に固さを感じさせずにいなす。そして、ワイドトレッドによってコーナリングでもドッシリと安定して走り抜ける。
当初は「車高がかなり高くなったのでロールは……」と覚悟したが、その心配は杞憂だった。それどころか確実にノーマルよりも乗り心地が良くて安定感がある。コイルスプリングのセッティングはもちろんのこと、やはり高性能ショックアブソーバーの恩恵が大きい。別タンク式の大容量モデルだから懐が非常に深いのだ。
タイヤとホイールの重量はかなり増しているのだが、荒れた路面でもまったく暴れることなくサスペンションの伸縮に従う。テスコトースでハイスピード走行を繰り返しても簡単には熱ダレしない。
減衰力は神野氏がセッティングしているのだが、さまざまな競技経験が豊富な凄腕ドライバーだけに味付けが絶妙。間違いなく万人受けするセッティングだ。
ちなみに減衰力を前後とも3と5に切り替え、さらに前後の数値を変えたてみた。前後3がもっともノーマルに近い乗り心地で、5だとやや固さを感じるだろう。