とかく男性はカバンを持ちたがらない。かといって、ポケットがパンパンになってしまうなんて本末転倒だ。そこでオススメなのがこのミニショルダー。必要最小限の荷物を収められて、大人の雰囲気にピッタリだ。
※この記事はル・ボラン2018年8月号からの転載です。掲載商品は現在販売していないものもあります。
アルフィー・ダグラス/ショルダーバッグ
中国を筆頭に、世界ではキャッシュレスが進んでいるそうだ。すでに最新のコンビニではカードさえも必要なく、無人のレジで顔認証とスマホをかざせば支払いが済ませられるとか。まるで田舎道で目にする無人販売所だ。世の中、ボーダーレスやジェンダーレスなど障壁を省くことで、より快適になることも多い。だが便利で効率的になるのはいいけれど、そこには不正使用や個人情報の管理、システム障害といった危うさを秘めることも忘れてはならない。それはクルマの先進技術も例外ではないのだろう。
身の回りの携行品が少なくなるにつれ、変わってきたのがバッグだ。とくにプライベートで持ち歩くのは、スマホと財布、鍵ぐらいで、大仰なバッグは必要ない。そこで重宝するのが、もうひとつのポケットとなる、ショルダータイプのミニバッグだ。用途やスタイルは、まさに巾着袋の進化形である。ところがフェミニンだったり、シニア向けだったり、なかなか気に入るものが見つからない。機能とサイズを両立し、服にも馴染むというのは難しく、それだけ好みやライススタイルを投影するのだろう。出会ったのが、アルフィー・ダグラスのミニバッグだ。
2012年にロンドンで創業した家族経営のブランドで、革の加工や販売を営んできた父とデザイン担当の長女、そして妻と次女の4人で、企画から製造、販売までやりくりする。小規模ながら手作りによる良質なモノづくりは、バッグ全体から漂ってくる。
円筒形にショルダーベルトをつけ、これを絞り、開口部を折り畳むように閉じる。スナップボタンもいらず、見た目もすっきりしている。過不足のないサイズに、手もスッポリ入り、出し入れも使いやすい。
ミニマルなデザインに男っぽさを感じさせるのが、唯一のアクセントのメタルビスだ。まるでビンテージカーのダッシュボードの仕上げを思わせ、ミリタリーポーチのような雰囲気も醸し出す。天然のベジタブルタンニンで染められた厚手のレザーは、上質感のあるシボに加え、発色も美しい。使っていくうち、風合いも増すだろう。
見た瞬間、即購入。じつは海外出張中の現在も愛用している。使ってみると機内持ち込みにもいい。これまで置き場に困っていたメガネケースも収まるのだ。でも心配なのは、その軽快感に旅先の財布のヒモも緩み、中身がキャッシュレスになることだ。
アルフィー・ダグラス
2017年、日本初上陸を果たした「アルフィー・ダグラス」は、2012年にロンドンで設立されたレザーアトリエ。英国職人によってハンドメイドで仕上げられるバッグは、トレンドを加えたヘリテージでモダンなデザインが特徴。今回ご紹介するミニバッグには、ベジタブルタンニン染めの厳選されたレザーを採用。ロンドンのアトリエで少数しか生産されないレザーバッグは、使うほどに艶が増し、しっとりと柔らかに馴染んでいくのが魅力だ。カラーは4色をラインナップ。価格:27,000円(税別)。
●問い合わせ先:ヴァルカナイズ・ロンドン/TEL:03-5464-5255 https://vulcanize.jp/