ホイール

「BBS RE-V7」足もとを支えるクロススポークはレースを制するための選択肢【ホイールカタログ2020春】

BMWのスペシャリストという立ち位置で、スタディはモータースポーツへ挑戦する。代表を務める鈴木“BOB”康昭氏は、そこに欠かせない相棒としてBBSを選んできた。今年のM6 GT3にも装着されたRE-V7を前にして、BBSへの想いを訊いた。

BBSの歴史そのすべてが凝縮されたようなデザイン

「BMWのレーシングカーはずっとBBSが支えてきた。僕は幼少期からそれが刷り込まれていたので、自分が挑戦するんだったら、BBS以外は考えられなかった」

スタディの創業者にして現代表を務める鈴木“BOB”康昭氏。2008年よりチームスタディとしてスーパーGT(GT300)のレース活動を始めた。チームの代表兼監督も担当する。

BMWチューナーとして日本で生まれ育ち、BMWモータースポーツのカスタマーレーシングチームとして、スーパーGTやブランパンGTアジアシリーズなどで活躍してきたBMWチーム・スタディの代表を務める鈴木〝BOB〞康昭氏はそう述べる。2020年はスーパーGTのGT300クラスにM6GT3を、スーパー耐久のST-ZクラスにM4 GT4を2台エントリーした。チームとして3台体制を見るに、彼らのレースにかける情熱が垣間見える。とはいえ、スタディは決して純然たるレース屋ではない。BMWにフォーカスしたショップでありチューナーだ。そんな活動の源泉にある理由は「他の誰よりもBMWが好きだから、その魅力をレース活動を通して広く世に訴えたい」というほうが正しいのかもしれない。

スタディのM6 GT3はBBS製RE-V7レース用18インチホイールに置き換えられる。

当初、2014年から2年間闘ったZ4GT3、その後のM6GT3の足もとを支えたのがBBS製ホイールだった。他のGT3カテゴリーと異なるルールが適用されるスーパーGTは、純正と同一スペックであれば交換が可能とされていたからだ。国内最高峰のGTレースカテゴリーは、タイヤ戦争の様相を呈すると同時に、熾烈なホイール戦争の場でもあった。

RE-V7のレース用18インチで、鈴木氏の想いを受け取ったBBSジャパンが専用開発したスーパーGTスペックだ。

銘柄はRE-V7。鈴木氏は初めて試作品を見た時に、その造形に惚れ込んだ。昔から恋い焦がれた〝BBSらしさ〞が、ぎゅっと凝縮されていたからだった。

レースホイールやスタディ専売モデルの発売を経て、いよいよカタログモデルの発売が迫る。

「性能一辺倒で考えるレース屋なら、別の選択肢だったかもしれない。だけどRE-V7には、BBSの約半世紀に渡る歴史すべてが網羅されるようなオーラが漂っていた。僕らは決してレース屋じゃなくて、あくまで改造屋。そんな僕らがレースに挑戦するのだったら、独特の方法で速さと強さ、そしてカッコよさを追求したい。それでも、GT3車両に装着される純正を凌ぐ性能を持つレース用ホイールを作っていただいたBBSジャパンさんには感謝しています」

メッシュと言われた往年の伝統的なBBS像を表現しつつ、現代風のスタイリッシュさも感じさせる7つのクロススポークを持つ。

それは「レースを通じてBMWの魅力、カッコよさを広く世に伝えたい」というスタディのコンセプトとも合致していた。RE-V7はその後、スタディ専売品として期間限定でストリート用20インチが発売され、M3、M4用ユーザーから絶大な支持を得た。

そんなRE-V7にとって、間もなく第二章が幕を開けるようだ。今度はスタディ専売の限定品ではない、BBSのカタログモデルとして発売されることが決まった。18インチを皮切りに拡充される予定で、新たな鍛造スポーツホイールとしてBMWに限らず幅広い車種に適合する予定だという。ストリート用といっても決して表層だけの真似ではない。そこにはリアルなレースホイールの開発技術と、何よりも鈴木氏率いるBMWチーム・スタディの情熱が色濃く宿っている。

【Shop Information】

BMWのことなら何でも相談できる! 東京都府中市のスタディ東京。

スタディ東京

全国6店舗を展開するスタディ。東京店はドイツを意識して建造されたファクトリー兼ショールームを持つ。デモカーや展示ホイール、パーツも豊富で、随時イベントも催される。
住所:東京都府中市若松町2-27-22 TEL:042-367-5301 URL:https://www.studie.jp/ 営業時間:10:00~19:00 定休日:火曜日・第2週、第4週水曜日

取材協力=BBSジャパン https://bbs-japan.co.jp/

フォト=田村 弥/W.Tamura、宮門秀行/H.Miyakado ルボラン2020年6月号別冊付録より転載

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