往年の名作と呼ばれるデザインを現代流に再構築する。そうした活動で次々と新作を生み出しているRMPシリーズ。特にホイール界の王道である「2×5」「2×7」に挑んだ新作群はリ・マスターピースの名前に相応しいものばかりだ。
温故知新の精神で新たな“定番”を開拓する
「傑作を再構築する」とはどういう意味か。往年の名作をただ再販するわけでもなく、表層だけノスタルジーな雰囲気にするわけでもない。そこにMID(マルカ・インテリジェント・デザイン)が展開するRMP(リ・マスターピース)の努力と情熱があった。
「2×5」をRMP流に再構築した520Fと、同様に「2×7」に挑んだ720F。製品自体は20インチまで用意されるが、輸入車用を抽出すると520Fが17、18インチ(P.C.D.112)、720Fが18インチのみ(P.C.D.112)となる。
母体となるマルカサービスは、老舗サプライヤーとして40年以上、ここ日本に根を張って人々のカーライフを支えてきた。今では日本のアフターホイールマーケットで10%を超えるシェアを持つ。そのマルカサービスが国内外のあらゆるマイスターと手を組んで表現しているのがRMPの製品群である。ホイール界における普遍的造形をブラッシュアップして、新たな世界観を表現しようと、今、矢継ぎ早に新作を紡ぎ出している。
セミグロスブラック/リムポリッシュ仕上げの520F。平行に伸びたツインスポークでスポーティな雰囲気を表現しつつ、スポークサイドにエラを張ったことでどこか星型っぽくも見える。RMPロゴは別体アルミプレート製だ。
その一例として、ホイールデザインにとって主軸であり永遠のテーマである「2×5」「2×7」スポークをどう導くか。そのひとつの回答として導き出された新作が520Fと720Fである。まずはアウディA3スポーツバックに装着された520Fを見る。単なる「2×5」ではない星型デザインを現代風に解釈したようなデザインだ。天面はあくまでシャープに、ツイン5本スポーク路線として、スポークサイドにリブを設けることで星型っぽさを演出。こうした立体的なデザインは角度によって幾多もの表情を見せる。どこを取っても、古くもなく、かといって奇抜過ぎることもない新しさを感じさせる。ショートカービングリップリムと呼ばれるフランジのリップ形状もシャープで、リムに投影される陰影までもデザインしている。そこへ直線的に着地していくスポーク形状も実に新鮮。
対して720Fは「2×7」デザインでクラシックメッシュをオマージュした。各交点をセンター寄りに置くことで伸びやかな印象に、逆にリムからの立ち上がりを含む各スポークを直線的なラインでつないで硬派な雰囲気も両立させる。センターを取り囲むX交点ポケットやセンターポケットなど、新しさを表現する小技も盛り込んだ。定番デザインながらも随所にアレンジを加えることで、とても新鮮な表情へと導いている。
これら2銘柄は決してデザイン性ありきで開発されたものではない。長らくホイールデザインの主軸に「2×5」「2×7」が居続ける理由に立ち戻り、それが強度や剛性確保のために理にかなったものという本質を前提に設計している。日本国内でJWL基準をはるかに上回る独自の強度試験を実施し、頻繁な抜き打ち検査も欠かさない。そうして丹念に設計開発されるのがRMP一連の製品群である。「傑作を再構築する」とは、決して表層のデザイン性だけを示して言うのではない。もっとも重要なのは、むしろその機能面にある。重くハイパワー化した現代車に合わせて傑作を再構築した、次の時代へ向けた作品群である。
【DATA】RMP 720F
■サイズ/価格=18inch×7.0~8.0J/43,500~45,500円、19inch×7.5~8.0J/49,000~50,000円、20inch×8.5J/60,000円
■カラー=セミグロスガンメタ/リムポリッシュ、ハイパーメタルコート/ポリッシュ
■対応車種/メルセデス・ベンツ、アウディ、VW、その他国産等
【DATA】RMP 520F
■サイズ/価格=17inch×7.0J/39,000円、18inch×7.0~8.0J/43,500~45,500円、19inch×7.5~8.0J/49,000~50,000円、20inch×8.5J/60,000円
■カラー=セミグロスブラック/リムポリッシュ、ハイパーメタルコート/ポリッシュ
■対応車種=メルセデス・ベンツ、アウディ、VW、その他国産等
お問い合わせ
マルカサービス 052-398-3406 https://www.marukaservice.com/