ロック系競技でも上位に入るポテンシャルを秘めたJA11
ジムニーの悪路走破にあたって筆者が思う最強レイアウトは、フロントコイル、リアリーフのレイアウト。これは車両単体での話ではなく、ドライバーがコントロールする前提で考えた場合だ。
フロントのコイル化はアプローチアングルの向上。絶対的なストロークの確保。リアのリーフというのはドライビングインフォメーションの豊富さだ。路面状況やサスペンションの動作状態、トラクションの掛かり具合など、よくできたリーフの場合、マルチリンク化されたコイルと比べ物にならない。
今回のフモンオートのデモカー、まさに筆者のツボを押さえた車両なのだ。超ロングストローク化されたフロントサスペンションに、ストロークステアを一切発生させないフルラム。正確な操作を可能とし、操安性を確保。石塚エンジニアリングダブルミッションで255/85R16という大径タイヤを超低速で回し、慎重でありながら超難所に挑むことができる。
さらに、リアのリーフのおかげで、現状の車体状況が手に取るように分かる。ノーマルのJA11より長く設定されたホイールベースが、動きに落ち着きを与え、クイックさは皆無。このクルマの真のポテンシャルをテストするフィールドは、さなげアドベンチャーフィールドにはないと断言できるほどだ。
細かい装備でいうと、FFキットやリアのフルフロー化とディスク化。前後ロックライトに前後ウインチ。リーフの取り付けは、新製品のS45C製強化Uボルトを使用。ドライバーありきでさまざまな装備を行い、実際に乗った印象はかなり扱いやすい。すでにロック系競技で上位に入るポテンシャルを持っていると言っても過言ではない。
久しぶりに手加減なしで乗れる車両に乗った気がする。この仕様を注文があればフツーに作るというのも驚きだ。