ハンドメイドに近い高性能バージョンの需要が増加。SVO専門店の拡大が後押し
英国ジャガー ・ ランドローバー(JLR)の高性能バージョン開発・製作部門であるSVO (スペシャル ・ ビークル ・ オペレーションズ)の業績が好調に推移している。同社によると2019/2020年度のSVO販売台数は前年同期比64%増の9500台超となり、1万台に迫る勢いとなっている。新型コロナウイルスの影響前の時期がほとんどなので今後の伸びは不透明ながら、それ以前からEU離脱で揺れる英国経済において、明るいニュースといえるだろう。
SVOはジャガーFタイプSVRなどに加え、レンジローバーSVオートバイオグラフィー、FペイスのSVRなど、高価ながら量産仕様にはないパフォーマンスを持つ仕様や特別なプレミアム仕様を開発。それらのクルマは世界のJLR正規販売店で注文できるが、さらにJLRはSVO専用のSVスペシャリストセンター約100店舗を主要市場に設置。そのスペシャル店舗の展開が台数増に貢献したとしている。
日本では正規代理点がその役を担っているが、 FペイスでもSVRとなると1300万円に迫り、レンジローバーだと2000万円に迫るプライスタグが付けられる。そのクルマが64%増というのだから、やはり通常のジャガーやレンジローバーとは違った仕様を求める人が増えているということだろう。何かと先行き不安な英国経済を支える要素として、今後もSVOの存在感は増していくことになりそうだ。