その名も「Small but Beautiful」。選択と集中を強化
業績悪化に苦しむ三菱自動車が新たな中期計画を発表した。2017年10月に発表された中期計画「DRIVE FOR GROWTH」では販売台数と売上高を30%以上増加させ、営業利益率6%以上を目指したが、市場環境の悪化もあって計画達成ならず、2019年度決算では純利益が赤字となってしまう。
その現状を鑑みて新たに策定された中期計画「Small but Beautiful」では、その名の通り規模拡大ばかりを目指さない方向へと転換。強みのある部分に資源を集中する「選択と集中」を進める一方で、人員削減や開発費削減まで踏み込み、固定費とコストを抑える方向性を明らかにした。パジェロの生産を担ってきた子会社のパジェロ製造(旧・東洋工機)の閉鎖もこの計画のよるもので、痛みをともなう改革という面もありそうだ。
ASEAN地域での販売強化はルノー・日産・三菱アライアンスの強化方針でも示されていたが、加えて日本国内の販売体制の再編も織り込まれている。新車投入に関してはエクリプスクロスPHEV、次期アウトランダーの2年以内の投入を予定しており、日産と共同で軽自動車EVの開発も進めていくという。知名度では負けていない三菱ブランドだけに、国内でも海外でもまだ道は残っているはず。新たな計画が順調に進んでくれることを祈りたい。