ドイツ発祥にして、それを日本の鍛造技術が支えるBBS製ホイールはアフターホイールの最高峰にあるばかりか、 OEMとしても積極的に活動する。自動車メーカーが究極を描くとき、 BBSが欠かせないと考えている。
裏方ながらも名前が出る。それこそが“高性能”の証
自社のエンジニアリングを唯我独尊とばかりに追求した自社ブランドのアフターホイールではなく、あえてOEMとして請け負うベントレー・ベンテイガを出展した。それが2017年の東京オートサロンにおけるBBSジャパンのブースだった。その英断もさることながら、ベントレーがBBSにホイール生産を委託していることを声高に訴える意味もある。それほどBBSは、特にハイエンドな自動車メーカーに支持されてきた。
一般的な考え方なら、OEMを委託する企業の名前は世に公開されない。しかし、世界の自動車メーカーはことあるたびに「BBS製ホイール」であることを世に訴えてきた。ベンテイガと同じくその生産に参画しているコンチネンタルGTも同様だ。またポルシェの場合、GT3RSやGT2RSなどのホットモデルにオプションで用意されるマグネシウム鍛造ホイールはBBS製であることを公言する。アメリカの地を見ると、世界のスーパースポーツ勢に挑戦したフォードGTや、アメリカントラック界の憧れであるタンドラTRD PROにはBBS製ホイールが採用されている。自動車メーカーが市販車を究極的に鍛え上げるとき、その足もとには積極的にBBSが選ばれてきた。
究極はF1かもしれない。BBSは1992年にマグネシウム鍛造ホイールをフェラーリF1チームへと供給している。フェラーリは決してホイールを提供されたのではなく、適正価格で購入したのだという。つまりは「勝つために必要なホイール」としてフェラーリF1チームがBBSを選んだのだ。その後、3年間の独占契約へと至り、当時のホイールには堂々と「BBS」ロゴが添付された。
BBSはドイツに生まれたメーカーだが、鍛造ホイールはすべてBBSジャパンが請け負う。もちろんドイツでも大規模な工場を構えて、彼の地では鋳造ホイールを活かし生産している。長年かけてヨーロッパで得てきた絶大な支持を、鍛造製法を始めとした日本の技術力で支えるような格好だ。だからこその風通しの良さがあり、日独融合のバランス感覚が、結果として自動車メーカーからのラブコールに繋がっているのだと感じることができる。
BBSのオリジナルホイールといえば、彼らがクロススポークと呼ぶメッシュパターンが常だった。しかし、ここに取り上げた純正採用例を見ると、あらゆる造形にチャレンジし、自動車メーカーを納得させている。自動車メーカーが要求する高いハードル――、強度や剛性、軽量性能といった一般的なものだけではなく、長期的な信頼耐久性、防錆性能、そして安定供給力なども求められる。それらを満足させて初めてOEMとして認められるはずだ。そうした高いハードルを乗り越えたうえでの、己の理想像がクロススポークなのだとすれば、その造形には比類なき説得力が宿る。これこそが、いつの時代も「BBSが最高峰」と言われ続ける所以である。
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