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オープンカーの魅力が息づくトート「コノリーのキャンバストート」【たまにはクルマを置いて】

クルマをはじめ、腕時計やファッションなどにも精通する柴田充氏がお届けするこの連載。クルマにまつわるグッズやアウトドア、男性ファッション系のアイテムを紹介していきます。

オーナーお気に入りのイエローカラーに初のキャンバス地を採用

楽しみにしていた007の最新作『ノー・タイム・トゥ・ダイ』の公開が来春に延びた。本当だったらこの春の公開予定だったのが、新型コロナウィルスへの懸念から初冬になり、結局1年がかりになってしまったわけだ。楽しみだったのはカーアクションもさることながら、ボンドがコノリーを纏ったことだ。とはいってもDB5のシートレザーを羽織ったわけではない。コノリーのスポーツジャケットを着たのだ。

クルマ好きにはコノリーについていまさら説明するまでもないだろう。だがいまや名車のシート製造にとどまらず、ドライビングコレクションやレザーグッズ、ファッションアイテムにおける最高品質と品格を備えたラグジュアリーブランドとして知られる。ロンドンにあるブティックは、フィナンシャルタイムズが選ぶ「世界のベストメンズウェアストア21」に選出され、まさにボンドが選ぶにもふさわしいライフスタイルブランドなのだ。
モノづくりへのこだわりは、伝統を受け継ぐレザー以外にも貫かれている。ボンドが着用したのもコットンジャケットであり、トートバッグの新作ではブランドでも初となるイエローのキャンバスを採用した。
キャンバス地の表側に樹脂コーティングを施すことで、撥水性を備えるとともに、見た目は使い込んだレザーの雰囲気が伝わる。かつてオープンカーの幌に使われていた年代もののアーカイブレザーを発見し、そこから着想を得て風合いを再現したという。さらにこの鮮やかなイエローは、コノリーのオーナーが自室を飾るほど愛するフェイバリットカラーなのだそうだ。
手にすればまずその軽さに驚くだろう。そして柔らかでありながらも、縁にはレザーのパイピングを施し、しっかりと自立する。さらに同素材のポーチが付いているので、スマホや鍵なども整理して収納できるのも嬉しい。幅広く取ったマチで収納量も十分で、トラベルユースにも良い。スーツケースに折り畳んで入れておけば、旅先で手に入れた荷物を入れるサブバッグとしても活躍するだろう。
コノリーは、自動車愛好家の間での知名度は高いが、国内では一般にはあまり知られていなかった。しかし昨年、ロンドンの旗艦店に続く2店目であり、初の海外出店となる直営店を銀座にオープンし、英国王室御用達のクオリティに対するファンが増えている。また銀座店は、ヒストリックカーレースの参加常連者やマニアが立ち寄るサロンのような雰囲気を漂わせる。

コノリーは、1878年に英国で創業し、乗馬用の鞍作りから英国王室御用達の戴冠式用馬車の内装を手がけてきた。モータリゼーションを経て、ロールスロイスやベントレー、アストンマーティンやジャガー、ダイムラーなど英国高級車のシートやインテリアを担い、英国車ばかりでなく、フェラーリやマセラティなどにもレザーを提供する。キャンバストートは3種類を揃える。スモール:高さ20cm×幅20cm×マチ10cm、12万円(右)。ミディアム:高さ28cm×幅34 cm×マチ15cm、17万円(中央)。ラージ:高さ34cm×幅40cm×マチ20cm、19万円(左)。※いずれも税別

タイムレスなスタイルとハイクオリティの品質に必要十分な実用性を備え、愛着を持って長く使い続けられる。そんなブランドの魅力がヴィンテージカーにも通じるのだろう。その世界観に触れるエントリーとしても最適のトートバッグだ。

コノリー 銀座並木通り 直営店 東京都中央区銀座7-6-19 tel.03-3574-3411 https://www.connollyjapan.com/

フォト=横澤靖宏/Y.Yokozawa

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