
スポーティセダンの代名詞的存在となる3シリーズの最新世代は2019年に国内導入をスタート。以降、順次ラインナップを拡大し、本国では高性能バージョンのM3がいよいよ公開されている。とはいえ、3シリーズの凄さは、その精神がベーシックモデルであっても享受できるということだ。
歴代モデルを通じてBMWらしさは最も濃厚
「OK、BMW」と発音すれば起動するAI音声会話システムや、3眼カメラ採用で実現した高速道路渋滞時ハンズ・オフ機能などコネクテッドやADASでトップランナーでもある3シリーズだが、それ以上に力が入っているのがダイナミクス性能。スポーティセダンのベンチマークとして、再び高いハードルを設けたといえる。

BMW 318i /先頃、日本仕様に加わったベーシックモデルの318i。エンジンは320iのそれのデチューン版だが、トランスミッションは同じ8速AT。装備面もほぼ320iに遜色ないとなれば、そのお買い得感は相当に高い。実際、ばね下の軽さがもたらすしなやかなフットワークは絶品!
先代モデルも高評価を得ていたが、現行モデルではアルミをボンネットやフェンダーだけではなく、シャシーの一部にも採用して軽量・高剛性化と重量配分の適正化を図り、ホワイトボディで20kg以上軽く、重心は10mm下がった。さらに、新たにサスペンション取り付け部をアルミダイキャストとしてフロント周りの剛性は1.5倍。トレッドの拡大も含めてハンドリングは大きく進化している。
コーナーに向けてステアリングを切り込むとノーズはきわめて正確に反応。シャープと表現して間違いないが、それが見せかけの動きではなく、ドライバーの意志にどこまでも忠実なのが見所だ。ステアリングフィールもシュアで、フロントタイヤが路面を掴んでいる感覚がクリアに伝わってくる。歴代モデルと比較しても“駆けぬける歓び”がもっとも濃厚なのだ。
石井昌道/M.Ishii
3シリーズのなかでも318iは特に買い!
3シリーズの商品企画時、ミュンヘンに主要6カ国のプロダクトマネージャーが集まりミーティングを実施している。日本の担当者もそのメンバーに加わり、スポーツセダンとしての揺るぎない位置づけを確立することに加え、運転支援機能の充実を主張したのだ。
それが受け入れられ、8シリーズ(つまりハイエンドモデル)のために開発されていた、3眼カメラを用いて対象物を超高精度で検出するシステムを先行採用。日本で初めてハンズ・オフ機能付き渋滞運転支援機能の搭載も可能になった。しかも、現在は全グレードに標準装備される。
こうした例からも明らかなように、3シリーズには日本市場のニーズが色濃く反映されている。もはや、走りに魅力があるのは当たり前。運転支援機能の充実ぶりや安全性の高さでも、買いの理由になる魅力を獲得している。
さらに、日本仕様の専用エンジンを積むことで、本国でさえ遅れて追加された320iをデビュー当初からラインナップ。その後も続々と新パワーユニットが投入され、今年8月には、エントリーグレードの318iを追加している。320iのエンジンをデチューンして搭載するが中身は同じ、それでいて価格は約40万円安いのだから、まさに買いだ!
萩原秀輝/H.Hagihara
【Specification】BMW 318i
■全長×全幅×全高=4715×1825×1440mm
■ホイールベース=2850mm
■エンジン種類/排気量=直列4気筒DOHC16V+ターボ/1998cc
■最高出力=156ps(115kW)/4500rpm
■最大トルク=250Nm(25.5kg-m)/1350-4000rpm
■トランスミッション=8速AT
■サスペンション(F:R)=ストラット:5リンク
■ブレーキ(F:R)=Vディスク/Vディスク
■タイヤサイズ=205/60R16
■車両本体価格(税込)=4,890,000円
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BMWジャパン 0120-269-437