熟成の進んだ最終型を乗り継ぐことこそが正解
さる9月2日、新型SクラスW223が発表された。新たなMBUXをはじめ大幅にアップデートされたユーザーインターフェイス、レベル3相当の自動運転機能を搭載するなど、メルセデスがいまもてる技術のすべてを投入したモデルだ。こんなタイミングにあえて旧型をおすすめするなんて訝しく思われる方もいるかもしれないが、欧州車では熟成の進んだ最終型を乗り継ぐことこそが正解といった説があり、それはこのメルセデスであっても例に漏れない。
パワートレインはISG搭載モデルのS450やPHEVのS560e、そしておそらく遠くない将来に終焉を迎えるであろうV12ツインターボを搭載したS600などいずれも魅力的であるが、コストパフォーマンスの高さでは、この上なくトルキーでシルキーな3L直6ディーゼルOM656ユニットを搭載したS400dが群を抜く。
台頭するSUVモデルなどまわりを見渡せば1000万円オーバーもざらで、新車価格約1200万円はバーゲンプライスとさえ思える。もし運良く在庫車両が見つかれば、それなりのお値引きもあるやもしれない。
どんなにスポーツカーやSUVが快適性を手に入れようとも、いつの時代も最高峰であり続けている、Sクラスのとろけるような極上の乗り心地は別格なのだ。
藤野太一/T.Fujino