副会長に二輪・大型メーカーの首脳が就任。硬直化を防いで新たな体制でスタート
国内自動車メーカーの団体である日本自動車工業会(自工会=JAMA)が2020年10月1日付けて大幅な組織改革を断行。新型コロナウイルスの流行により、各メーカーともに生産の停滞を余儀なくされ、国内はもとよりグローバル販売台数も減少。この危機的状況のなかで変革が迫られることになったと見られる。すでに数年前から世界の自動車業界は次世代モビリティ社会に向けて「100年に一度の大変革」を迎えているとされてきたが、それにコロナ禍が加わり、待ったなしの対応が必要となったということだろう。
従来は任期2年の持ち回りだった会長職も、ここにきて豊田章男トヨタ自動車社長が4年連続で務めることになり、硬直化を防いで改革を進めやすい状況となった面もある。具体的には会長が豊田氏、3人の副会長のうちの一人がホンダ会長の神子柴寿昭氏という体制は保ちつつ、新たな副会長にヤマハ発動機の日高祥博社長、いすゞ自動車の片山正則社長が就任。二輪メーカーと大型車メーカーのトップを置くことで新たなモビリティ時代への対応を図る考えだ。加えて11に細分化されていた委員会を5つにまとめ、新たに次世代モビリティ委員会も設置。JAMAのロゴも一新し、新たな体制での運営が開始される。
エンドユーザーに直接関係する団体ではないが、日本の基幹産業をまとめる重要な組織であることには変わりない。この改革が日本のクルマのあり方に影響をおよぼすことになるのか、しっかりウォッチしていきたいところだ。