F1やMotoGPといったモータースポーツのトップカテゴリーをはじめ、数多くの世界選手権でタイトルスポンサーを務める「LIQUI MOLY(リキモリ)」。ここでは、世界市場で支持されるこの老舗ブランドの正体を紐解いてみよう。
ひとつの添加剤からさまざまな製品を開発
ドイツ車やモータースポーツ好きなら、「LIQUI MOLY(リキモリ)」のロゴを目にしたことがあるだろう。
1957年にドイツのウルムで設立されたリキモリ社は、二硫化モリブデンの製造に関する特許を取得した。これをエンジンオイル添加剤を開発するためのベースとして使用。この二硫化モリブデンは、オイルの潤滑能力を向上させ、エンジンの寿命を延ばし、潤滑オイルがエンジン内に残っていない状態でもエンジンを保護する添加剤である。ブランド名に使われている「LIQUI MOLY」は、液体を意味するLIQUI(D)とモリブデンのMOLY(BDENUM)に由来しているという。
ひとつの添加剤からさまざまな製品が開発され、現在では添加剤以外に、エンジンオイル、ギアオイル、カーケア、グリス、スプレーなど、4000種類を超える製品をラインナップしている。
また、LIQUI MOLYは研究開発から製造、品質管理に至るまで、すべてドイツ国内で行っているのが特徴である。
一方、同社が成長を続けていく過程で、開発の中心を添加剤からエンジンオイルに移行したことで、石油大手ブランドと競合となり、市場に風穴を開ける存在になったという。現在、ドイツでは10年連続でベストブランドに選ばれるなど、誰もが認めるマーケットリーダーとなっている。またドイツだけではなく、同製品は140カ国以上で販売されているのだ。
リキモリ社のCEOであるエルンスト・プロスト氏は「当社のモットーである“メイド・イン・ジャーマニー”は、私たちが日々生きることを保証する品質であり、安売りではなく、製品の高性能で支持を得ている」と話す。