「ホンダe」は最高5つ星まであと一歩の4つ星を獲得。大人乗員保護性能や歩行者保護性能、安全補助装置の項目で課題残す
欧州でクルマの衝突安全性試験を実施しているユーロNCAPはこのほど、ホンダの新型コンパクトEV「ホンダe」のクラッシュ&セーフティテストを実施。最高5つ星のうち4つ星を獲得したことを発表した。
ユーロNCAPでは今年、テスト内容の見直しを実施した。正面衝突試験では「オフセット衝突」が加えられたほか、歩行者やサイクリストを含む周囲の道路利用者への障害対策や移動式の障壁試験も盛り込まれている。
ホンダeは、成人乗員保護性能で76%、子供乗員保護性能で82%、歩行者保護性能で62%、安全補助装備で65%をマーク。最高5つ星のうち4つ星という評価を得た。
ホンダeには、運転席&助手席用i-SRSエアバッグや、前席用サイドエアバッグ、前後席に対応するサイドカーテンエアバッグが採用されている。このたびの試験で、衝突試験の際はおおむね良好な保護性能を発揮したものの、ユーロNCAPでは、前面衝突時における膝まわりや、側突時における骨盤周辺の保護性能に課題を残したと報告している。
歩行者保護性能では、ポップアップフードシステムを搭載しているなど、対策されているものの、評価はいまひとつ。そして安全補助装備では、先進安全運転支援システム「ホンダセンシング」を搭載しているが、作動精度に不安を残した(下記動画参照)。
参考までに、11月に実施された新型「ジャズ(フィット)」の同試験における結果は順に、87%、83%、80%、76%で、総合5つ星を獲得している。ジャズの結果と比べると、子供乗員保護性能は同レベルだが、それ以外の項目ではホンダeの評価が明確に低いことがわかる。今後の改良に期待したいところだ。