日本で販売される車両で、初めて高速道路の渋滞時における手放し運転=ハンズ・オフ機能付き渋滞運転支援機能を搭載したBMW。その実現に欠かせないのが、最先端の画像処理プロセッサーによる危険予測能力だ。
2兆5000億回/HANDS OFF ASSIST
3眼カメラが優れた性能を有していることはご理解いただけただろうが、そのポテンシャルをフルに引き出すには高い障壁を乗り越えなければならなかった。カメラから送り出される膨大な量のデータを、素早く正確に処理する画像処理プロセッサーが必要不可欠だったのだ。
ここでBMWが選択したのも世界最高の性能を有する車載用画像処理プロセッサーだった。その名をEyeQ4という。
高速道路を走行中、一定の条件下でアシスト・システムを起動できる。
モービルアイが開発したこの最新画像処理チップ、その性能を端的に表しているのが、毎秒2兆5000億回もの演算を行なえる処理スピードの速さ。2兆5000億回という数字そのものが、気が遠くなりそうなほど莫大なものだが、これだけの数の計算を毎秒行なわなければいけない必要性はどこにあるのだろうか?
画像処理プロセッサーが毎秒2兆5000億回もの演算を行なって安全な走行を支えている。
3眼カメラに内蔵されたイメージセンサーは、そのひとつひとつがHDテレビ並みの解像力を備えている。そこから得た莫大な量のデータを解析して歩行者や車両、さらには路面に描かれた白線などを認識し、それらの距離や角度を算出するのが画像処理プロセッサーの役割。しかも、車両の速度が高まれば、それだけ素早く演算を行なわなければならない。ちなみに毎秒2兆5000億回という性能は先代EyeQ3の8倍に相当する。
ハンズ・オフ機能が作動するとクルマが自動的にステアリングを操作し、先行車を追従走行する。
ハンズ・オフ機能もレーン・キーピング機能の滑らかなライントレース能力も、世界最高レベルの3眼カメラとEyeQ4がなければ実現できなかっただろう。