出光興産と昭和シェル石油の統合がやっと形に。シェルブランドは消滅
ガソリンスタンド(サービスステーション=SS)の軒数がどんどん減っていくなかで、ブランドを持つ元売り企業の合併が進んできたが、出光興産と昭和シェル石油も2018年11月の正式統合から約2年を経て、SSブランドの統一が実現することになった。統合後の新ブランドは「アポロステーション」とされ、統合時も優位とされた出光のブランドイメージが色濃く残る形となる。一方で赤とイエローのカラーリングは昭和シェルのものを引き継いでおり、うまくまとめたという印象も受ける。
SSの統一は2021年4月から順次行われる予定で、クレジットカードなどの統一もそこから進められていくという。出光、昭和シェルそれぞれのカードユーザーにとっては使えるSSが増えることになり、これは歓迎できるだろう。モータースポーツファンにとっては、F1ではお馴染みで、サーキットのコーナーマークにも使われたシェルマークがなくなるのはちょっと寂しいが……。
これで国内主要SSブランドはENEOS、新アポロ、コスモ、キグナスなどに集約されるが、SS数ではENEOSと新アポロが上位を占めることになる。利便性が増す半面、寡占化の弊害が出ないか懸念もあるが、石油の需要が減り、SS数が減っていく状況下では致し方ない面もある。クルマの電動化が進むとはいえ、まだしばらくはガソリンや軽油が欠かせない時代が続くだけに、寡占化による価格上昇だけは避けて欲しいものだ。