ドイツ生まれの「パワーショット」はシリジウムを使った特許技術で、エンジン本来のパフォーマンスを引き出すコーティング剤。今回は経年劣化の著しい車両でその効果を試してみた。
エンジンのダメージをリペア。保護効果と低フリクション化を実現
ミハエル・クルム氏がドイツの友人から電話を受け取ったのは2016年のこと。「レヴィテックはとにかく効く」という電話越しの語気は力強く熱を帯びていた。
そこで、レヴィテックが研究/開発し生産しているエンジン専用コーティング剤「パワーショット」をクルム氏自身がテスト。R32型のスカイラインGT-Rに添加したところ、期待を上回る効果が確認でき、出力では18psアップを記録したという。
ならば、実際にパワーショットを試してみようというのが今回の主旨。テスト車両は2012年モデルのアクティブ・ハイブリッド5で、走行距離が6万km超という劣化の激しい個体だ。その証拠に平均燃費はカタログ値の50%ほどまで低下している。メーター内に表示されている7.6km/Lという数値の変化も含めてパワーショットの実力を測ってみた。
まずは、レヴィテック日本総代理店の代表を務めるミハエル・クルム氏の説明を聞いてみた。パワーショットには、シリジウムというナノレベルの粒子が含まれていて、それが金属表面にセラミック質の層を作るという。そのセラミック質が摩擦面を平滑に埋めることで、エンジンを修復/保護、効率の改善も見込めるらしい。
実際にコーティング剤を添加する作業は、エンジンを止めてオイルの注入口からパワーショットを入れるだけ。ただ、クルム氏によると注入前にエンジンを暖めておいた方が効果的のようだ。また、摩擦することと温度によってコーティングが進むらしく、添加後はエンジンを積極的に回した方が効果が早く現れるのだそうだ。
さて結果はというと、フィーリングでも燃費データでも効果を実感できた。アクセルを小さく開けただけでエンジンが素早くフッと吹ける。そこからの回転上昇はノンストレスで潤いのある滑らかさ。平均燃費は、8.4km/Lと約1割の改善が見られた。低年式車両なので、保護効果にも期待を寄せているが、痛快かつスイートな味わいの回転フィールは見事に実証。1年に1回か1万kmに1度の添加がオススメらしいが、個人的にリピート確定は即決だった。
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