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ユーロNCAPが2020年を振り返る

評価対象は11台にとどまったものの、9車が最高評価と高いレベルを保つ

日本以上に新型コロナウイルスの感染拡大の影響が大きい欧州各国だが、その猛威に負けず新型車の安全性を評価してきたユーロNCAPが2020年を振り返って「課題と進歩」を発表。主要都市で大規模なロックダウン(都市封鎖)が実施された欧州では、新型車の発売予定も変更を余儀なくされ、ユーロNCAPもその影響を大きく受けたという。評価のためのテストも数カ月間保留され、2020年半ばまでは再開できずに結果の公表も限られた台数となっている。
2019年は55車種のテストと評価を行なったのに対し、2020年は11車種と大幅に減少。それでも9車種が最高評価の5つ星を獲得し、4つ星が1台、3つ星が1台と一定以上の安全性を確認できたとしている。自動車メーカー側もセンターエアバッグの装備、サイクリストにも対応した衝突被害軽減ブレーキの装備など先進安全機能に対して前向きな姿勢を見せており、社会活動、経済活動が制限されるなかでも安全性能は進化を続けていると結論づけている。
2021年の評価予定や方向性など具体的なプランは提示していないが、衝突安全性能や予防安全性能に加えてドライバー監視機能も評価対象とするなど、クルマにまつわるテクノロジーの進化に合わせて厳しさを増しているユーロNCAPのジャッジ。自動車メーカーに安全装備の充実をうながす形は変わらないが、2021年もご意見番として存在感を失わずに情報発信を続けて欲しいところだ。

ルボラン2021年4月号より転載
田畑修

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