タイヤ

【コンチネンタル150年の軌跡】プロローグ「世界中のモビリティに寄り添う一世紀半の歴史と未来への布石」

【1871-2021 Beyond】

黎明期の馬蹄用バッファー(緩衝材)から、馬車や自転車用タイヤといったラバー製品のスペシャリストとして、欧州に芽生えたモータリゼーションを“足元”から支えたコンチネンタル。第2次大戦終結以降は、自動車用タイヤ事業を世界的に拡大しつつ、エレクトロニクス関連を筆頭とする、自動車部品と制御システムの総合モビリティ・ソリューション・プロバイダーへと成長を遂げ、いまや世界トップ5に数えられる。
150年に渡る歴史の中で、コンチネンタルはさまざまな革新をもたらしてきた。自動車用タイヤへのトレッドパターンの初採用をはじめ、ラジアルタイヤを意味する「R」表記も世界標準に。また、タイヤの構成素材における開発にも積極的で、近年ではサステナブルな原料の研究でも話題を呼んだ。いまや、社会生活の存続に関わるテーマである環境面への配慮についても対応は早かった。コンチネンタル
のタイヤといえば、走りのパフォーマンスだけでなくロングライフ性能でも定評があるが、それを象徴する初のサステナブルタイヤとなった「コンチ・エコ・コンタクト」では、長寿命であることに加えて、路面に残る残留物の大幅な削減にも成功している。また、物流を支えるトラック向けに導入された、ゴムの再生とリトレッドによる「コンチ・ライフ・サイクル」も、タイヤの長寿化とコスト削減を図るサステナブルな手法だ。
だが現代におけるコンチネンタル最大の強みは、総合サプライヤーの地位を確立していること。環境負荷が小さい素材の採用はタイヤ製品だけにとどまらず、クルマの幅広い領域にも拡大。また、電動化や常時接続といった、クルマの「安全性」「利便性」「快適さ」を向上させる技術の開発にも余念はなく、「サステナビリティ(持続可能性)を尊重しながら、自由なモビリティ(移動)を楽しむ」という、クルマの自律運転化を見据えた研究開発の数々は、もはやオートモーティブ企業の領域を超え、人間のライフスタイルに関わる新しい種類のテクノロジーといえるだろう。

ドイツ・ハノーバーから世界へ
1875年から現在に至るまで、跳ね馬をロゴに採用するコンチネンタル。跳ね馬が本拠地ハノーバー伝統のシンボルであり、創業当時に馬蹄用ラバーブーツの製造・販売を手掛けていたからだという。

取材協力
コンチネンタルタイヤ https://www.continental-tire.jp/car
コンチネンタル https://www.continental.com/ja-jp/

ル・ボラン2021年11月号付録より転載
CARSMEET web編集部

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