冬の時期に乗らないことを申請すれば保険や税金の割引も!
すっかり紅葉の季節となり、日本の秋の味覚が恋しい季節になりました。朝には霜が降りている日も増え、すっかり冬へ向かっています。
10月31日の午前3時から冬時間へと変わりました(時計が1時間戻りします)。この時期は雨に濡れた枯葉や道端に落ちているマロニエやヘーゼルナッツの実を踏んだ時に一瞬滑るのがドキっとします。でもヘーゼルナッツの木には、たまにかわいらしいリスを見けられるので癒されます。
ドイツではあまり栗の木を見掛けませんので、これらが栗だったらな~と思います。スーパーマーケットにはこの季節にHokkaidoという種類のかぼちゃが並ぶのですが、1個売りで食べきれませんので長い在住歴ですが一度も買った事はありません(笑)。さつまいもも売っていますが、日本のような甘くてほっくりねっとりというのもありません。もちろん新鮮な秋刀魚などもなく、あるのは冷凍の超高級な秋刀魚が日本食料品店に売っています。早くコロナ禍の規制がなくなり、日本へ帰国できる日を心待ちにしています。
さて、こちらドイツは冬タイヤの装着が義務付けられており(オールシーズンタイヤはOK)、von O bis O (オクトーバーからオースター<イースター>)と冬タイヤの装着時期を義務付けています。とは言ってもその時期はちょっぴり曖昧なのものでもありますが……。
キリスト様の復活祭であるイースター(ドイツ語でオースター)は毎年変動し、その頃は春になる季節の変わり目で急に大寒波が到来して雪が降る事もありますので、だいたいそれ位という感じでしょうか。来年2022年は4月17日ですが、気になるので調べてみたら、外気温が7℃を下回ると冬タイヤに交換すべき時期だそうです。今年は夏タイヤに換えた後の5月にも雪が降り、夜のアウトバーンで猛吹雪に遭いかなりびっくりしました。まさか5月に雪が降るとは思いもよりませんでしたね。
一気に冬の寒さが到来する10月に入るとディーラーや街の自動車修理工場、カー用品店など、タイヤ交換のために多くの予約が入るのでめちゃくちゃ混みます。別途料金が掛かりますが、タイヤを洗って次の交換まで保管してくれるサービスもありますが、機械に通すだけなのでざっくり洗ったくらいの仕上がりですので、ピカピカにホイールを磨いてくれるワケではありません。
都心の狭いアパートに住む私。地下の二畳程の小さな物置が各戸に割り振られているのですが、普段使用しないスーツケースや狭い部屋に入り切れない物を収納しているため、とてもじゃないですがタイヤ1セットが入る余裕はありません。以前は私も近所にあるカー用品店や正規ディーラーのタイヤ交換&保管サービスを利用していましたが、そこそこお高いという事もあり、近所に住む地元自動車メーカー勤務の友人のご厚意で、タイヤ交換&保管をして頂いてとても助かっています。お礼はご希望のレストランでお腹いっぱい食べて飲んで貰います(笑)。
タイヤ交換のついでにいつもブレーキパッドの減りやオイルもチェックしてくださるので助かります。いまの愛車を購入する際に、実は最後までアウディのS3のカブリオレとどっちにするか悩んでいたのですが、このご近所さんに「他社のクルマなら面倒はみない」と冗談ですが本気言われ、地元のクルマを購入する事になりました(笑)。でも、街でカラフルなS3カブリオレを見掛けると、やっぱりあっちを買った方が良かったかな~と思ってしまう事もあります。
毎年のようにドイツ政府から発表になり、少しずつ変更が加えられているのですが、今年の11月9日からドイツの交通違反金が変更になります。特にスピード違反や駐車違反は大幅に金額がアップし、倍になるようです。ちなみに罰則金の事を『Bußgeld ブスゲルド』といい、それは『Bußgeldkatalogブスゲルドカタログ』として項目ごとに表にされています。日本人的には『ブス』という響きがちょっと笑っちゃいますね。Bußeとはペナルティ、罪などの意味があります。
余談ですが乗り物のバスの事をBus(ブス)と言います(笑)。そのブスゲルドカタログは見やすいのでありがたいですが、できれば1回も支払う事がないように心掛けたいものです。それによると、冬タイヤに交換せずに雪の中を走行した場合は60€(約7800円)、夏タイヤで冬季もそのまま走行をしていた為に交通の妨げをした場合80€(約1400円)、危険運転をした場合100€(約13000円)、事故を起こした場合120€(約15600円)の罰金+各1点が加算されます。(ドイツは加算方式)
その逆の夏場に冬タイヤで走行をした場合には罰金とはならないようですが、非常に危険で、もしもそれで事故を起こした場合は、保険が下りない可能性があるようですので、絶対に止めた方が良いですね。この11月9日からの新罰金制度では、スピード違反は倍になるなど、大幅に罰金が増額されるようなので気をつけます!
ところで、ドイツには『Saisonkennzeichenセゾンケンツァイヒェン』というお得な制度があるのです。冬場には殆どクルマを運転しない私も、実はこれを導入しようか考えているところなのです。『Saisonkennzeichen』とはシーズンナンバーとでもいいましょうか。例えば、「冬場の雪や塩化カルシウムで愛車が痛むので乗らない」「稀少車なので冬場の10月から3月はクルマに乗らない」というような方にはぴったりな制度で、特にオープンカーや旧車・稀少車、スーパーカー等の所有者の方が多く利用される制度で、自動車保険や税金も安くなります。
保険会社や車種等、コンディションによるようですが、半年しか乗らない場合は半額とはいきませんが、それに近い金額が安くなるようです。また、その逆で、雪道に撒かれる砂利や塩カルも気にせず冬場にガンガン乗る用のクルマとして、冬だけ走行する用にナンバーを取るのもありなのです。
これは3月1日から10月31日まで走行可能です。11月1日から2月29日までは私有地や車庫に保管する必要があります。休止する期間は自分で設定でき、日本でいう陸運局に行ってシーズンナンバーの登録に行ってそれ専用のナンバープレートを作って貰いますが、ナンバーはそのまま年間を通して利用できます。
私の仕事でもあるレースは冬場にはありませんので、愛車で遠出をする事は急に少なくなります。取材等で遠くに出掛ける事もたまにありますが、はっきり言って数える程ですので、必要な時にレンタカーや公共交通機関を利用してもよいのかな? とも思います。金銭的に余裕のある方は、夏用と冬用に分けてクルマを所有できてとても羨ましい限りです。
雪が降る前にアルプスの峠を走りまくるのを毎年楽しみにしている私。去年のコロナでは観光目的で国境を超える事ができなかったのですが、やっと今年は様々な制限が緩和された事もあって峠を走りに行くのをとても楽しみにしていたのです!春に仕事でイタリアに行った際には往復をほぼ峠道で走り切り、とても楽しかったのですが、この冬は例年よりも急に寒くなり、既に雪が積もっている峠も多いようで、一足先に冬季休業となり通行止めになっているところもあり、秋のアルプスドライブが出来なさそうで、かなりがっかりです。
この記事を書いた人
武蔵野音楽大学および、オーストリア国立モーツアルテウム音楽院卒業。フリーランスの演奏家を経て、ドイツ国立ミュンヘン大学へ入学。ミュンヘン大学時代にしていた広告代理店でのアルバイトがきっかけでモータースポーツの世界と出会い、異色の転身へ。DTM、ル・マン/スパ/ニュルブルクリンクの欧州三大24hレースを中心に取材・執筆・撮影を行う。趣味は愛車のオープンカーでヨーロッパのアルプスの峠をひたすら走りまくる事。蚤の市散策。