モデルカーズ

これぞハコスカ本来の形!「スカイライン2000GT-X」をGT-Rのプラモから再現!【モデルカーズ】

サーフィンライン閃く豪華版GT

スカイラインが日産の車種となってから初めてのフルモデルチェンジで登場したのが、C10系、「ハコスカ」の愛称で親しまれる3代目スカイラインである。当初は1500ccの4ドア・セダンとバン、ワゴン(エステート)という布陣で、1968年にデビュー。先代S54A型(GT-A)の後継モデルである6気筒バージョンは、2000GTの名で同年に遅れて追加されている。さらに翌年には、レース出場を大きな目的としたGT-B後継モデルであるGT-Rが登場。4気筒モデルには1800ccエンジン搭載車が加わったのち、’70年のマイナーチェンジでは新たなボディ形式である2ドア・ハードトップもラインナップ。

この2ドアにはショートノーズの4気筒とロングノーズの6気筒、双方が用意されたのだが、ホイールベースをセダンより70mm短縮したこのボディの真の狙いは、GT-Rのレースでの戦闘力を向上させることだったとも言われている。それを裏付けるかのように、このマイチェンでGT-Rは4ドア・セダンから2ドアへと切り替わった。モデル末期の’72年には、この2ドア・ハードトップの2000GTに、さらなる豪華版2000GT-Xが加わった。GT-XはL20エンジンにツインキャブを装着しパワーアップを行っただけでなく、パワーウィンドウを装備し、車内外のエンブレムもゴールドがあしらわれるなど、まさにGTの名に相応しいモデルである。さらに4ドア・セダンにもGT-Xを加えた後、同年には続くC110系へとモデルチェンジを果たしている。

そんなハコスカは昔からミニカーやプラモデルの題材として引っ張りダコであるが、プラモデルに限って言えば新車当時のキット化は思いのほか少なく、1980年代に入ってからのものが多かった。その皮切りとなったのはマルイ製の2ドアGT-Rだが、以後のキット化はこれを追うように2ドアRが多く、L型エンジン搭載のGTはアオシマ製4ドア・セダンくらいのものであった。実車の世界ではここ数年、普通のGTやGT-X、さらには4気筒モデルにまで高価なプライスが付けられることが少なくなくなっているのだが、そうした事情はプラモデルにはなかなか反映されないようだ。そこで、フジミ製1/24スケール・プラモデルの2ドアGT-Rをベースに、ゴージャスなGT-Xへと改造したのがこの作品である。


目力の強いフロントマスクを金属パイプを使って再現!
制作にあたって作者が何よりも気を遣ったのは、ハコスカらしい睨みの利いた顔つきを再現すること。実車が持つシャープさを1/24の世界へ置き換えられるよう、ヘッドライトの枠に金属のパイプ(シャープペンのキャップを利用)を使うというこだわりを見せている。フロントグリル本体はアオシマ製4ドアGTのパーツを幅を詰めて使用。さらにボディやバンパーの形状にも削り込みによって微妙な修正を加えている。

ボディ後半は当然、R専用のオーバーフェンダーを切り取りサーフィンラインを繋げ直すことになるが、実はフジミのボディはオーバーフェンダーの前と後ろでサーフィンラインの高さが合っていないのか、そのままでは上手くラインが繋がらず、また形そのものもすこし角ばっているようだ。作者はこの部分をタミヤのハコスカ(グレーの方)から移植することで、問題を解決している。ノーマルフェンダーはプラ板をベースとして貼った上に、プラ帯を立てて接着しサーフィンラインのガイドとして、瞬間接着パテを盛りつけて造形。面が滑らかに繋がるよう、細心の注意を払って削り込んでいった。ボディサイド下側のエッジの立ち方、ラインの流れ方なども、実車に忠実なものとなるよう細かい加工を行っている。

フィニッシュに当たっては、バイオレットメタリックのボディカラーとホワイトのレザートップで、いかにもGT-Xらしいゴージャスさを演出することに努めてみた。「武骨」「いかつい」だけではない、ダンディなハコスカの姿が再現できたのではないかと思うが、いかがであろうか。

作例制作=秦 正史/フォト=服部佳洋 modelcars vol.261より再構成のうえ転載
LE VOLANT web編集部

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