【国内試乗】ノーマルからスポーティ系までラインナップが拡大、マイチェンが施された「BMW X3」

マイナーチェンジを受けたX3は外装の変更に加え、先進運転支援システム、コネクティビティ機能などが進化（X4も同様）。先代よりもモデルラインナップが増え、ユーザーの選択肢も豊富となった。

接地バランスが最適化され安定性が向上

MパフォーマンスモデルとなるM40dは直6ディーゼルターボを搭載し、8速ステップトロニックスポーツトランスミッションを組み合わせる。0→100㎞/h加速は4.9秒と俊足だ。

BMWは、LCI（マイナーチェンジ＝ライフ・サイクル・インパルス）を実施すると、発表資料に記載されていない進化が実感できることが多い。2021年10月にフェイスリフトされたX3はその好例であり、走りの質感が大幅に向上していたのだ。
まず、サスペンションの動きがスムーズになっている。今回試乗したＭ40dは、ダンパーの減衰力を可変制御するアダプティブＭサスペンションを装備しているが、走行モードがスポーツでも硬さを意識せずに済む。それでいて、ボディのムダな動きを抑えステアリング操作に対する応答性の正確さを際立たせる。４輪の接地バランスも最適化され、安定性の高さを確かめつつ楽しみながらコーナーを駆けぬけることが可能だ。

M40dはM専用のインスツルメントパネルを備え、M専用のシャシーセットアップも行なえる。前席はホールド性の高いスポーツシートを装着。ラゲッジルーム容量は550～1600ℓとなり、同時に取材した20dも同容量。

さらに、ザラついた路面を通過する際に聞こえるゴーッというロードノイズも音量が低減し、室内に響くこともない。ボディやサスペンションの何がしかのランニングチェンジに加え、静粛性の高さでは定評があるブリヂストンのアレンザを履いていたことも好影響を及ぼしているに違いない。
また、LCI前の2020年11月にＭ40dが積む３リッターの直列６気筒ティーゼルは48Ｖマイルドハイブリッド・テクノロジーを組み合わせた際に、最高出力と最大トルクをそれぞれ14psと20Nm上乗せ。ディーゼルであることが信じられないほど高回転域でパワーが伸び、トップエンドではコォーンという快音まで響かせる。
今回は、xDrive20dにも試乗。やはり走りの質感が向上していたのでLCIによる進化は明らかだ。フェイスリフトにより精悍さが増したエクステリアデザインともよく似合う。2リッターの直列4気筒ディーゼルターボエンジンは、相変わらず低回転域から余裕綽々で力強さを発揮する。

2リッターの直4ディーゼルターボを搭載するX3xDrive20d Mスポーツ。M40dに大きく劣ることのない力強い出力とタイムラグのないレスポンスは走りの高揚感を高めてくれる。

【Specification】BMW X3 xDrive20d Mスポーツ
■車両本体価格（税込）＝7,810,000円
■全長×全幅×全高＝4720×1890×1675mm
■ホイールベース＝2865mm
■トレッド＝前1600、後1615mm
■車両重量＝1880kg
■エンジン型式／種類＝B47D20B／直4DOHC+ターボ
■総排気量＝1995cc
■エンジン最高出力＝190ps／4000rpm
■エンジン最大トルク＝400Nm（40.8kg-m）／1750-2500rpm
■燃料タンク容量＝68L（軽油）
■トランスミッション形式＝8速AT
■サスペンション形式＝前ダブル・ジョイント・スプリング・ストラット／コイル、後マルチリンク／コイル
■ブレーキ＝前後Vディスク
■タイヤ（ホイール）＝前後245／50R19

【Specification】BMW X3 M40d
■車両本体価格（税込）＝9,200,000円
■全長×全幅×全高＝4725×1895×1675mm
■ホイールベース＝2865mm
■トレッド＝前1615、後1595mm
■車両重量＝2050kg
■エンジン型式／種類＝B57D30B／直6DOHC+ターボ
■総排気量＝2992cc
■エンジン最高出力＝340ps／4400rpm
■エンジン最大トルク＝700Nm（71.4kg-m）／1750-2250rpm
■燃料タンク容量＝68L（軽油）
■トランスミッション形式＝8速AT
■サスペンション形式＝前ダブル・ジョイント・スプリング・ストラット／コイル、後マルチリンク／コイル
■ブレーキ＝前後Vディスク
■タイヤ（ホイール）＝前245／45R20、後275／40R20

BMW X3公式サイト