フランス・ディエップにあるアルピーヌの工場で生産予定
ルノー傘下のスポーツカーメーカー「アルピーヌ」は、現在新型クロスオーバーSUV『GT Xオーバー』を開発中だが、初期プロトタイプをスクープサイト「Spyder7」のカメラが初めて捉えた。
ルノーグループCEOであるルカ・デメオ氏は、2021年6月、EVトリオとなる「アルピーヌドリームガレージ」プロジェクトを発表、その最初のモデルが2024年に発売されることをアナウンスした。発売予定の3台とは、アルピーヌA110の後継モデルとなるEVスポーツカー、EVクロスオーバーSUV、そしてEVホットハッチとなり、今回捉えたのが、今年始めに名称が正式発表されたクロスオーバーの「GT Xオーバー」だ。
スウェーデンにあるルノーの氷上テスト施設で捉えたプロトタイプは、開発初期段階とみられ、大幅に改造されたダチア「ダスター」のテストミュールだ。
市販型についてわかっていることは、ルノー日産三菱アライアンスが新世代EV用に開発した「CFM-EV」プラットフォームを採用することで、最初に採用した日産のEV「アリア」と共有することになる。ボディスタイルは流麗なルーフを持つクロスオーバークーペSUVスタイルで、アルピーヌ版「アリア」と言えそうだ。
またメガーヌ「E-Tech」と同様に、ドライバーが車のキャビンを加熱できるヒートポンプシステムを搭載、HVACシステムのエネルギー消費量が削減され、寒冷時の走行距離が向上する。さらに「スリム」なバッテリーを備える可能性があるようで、前出デメオ氏は、このバッテリーは「市場も最もフラット」であり、クロスオーバーが優れた空力性能を実現することに役立つはずですと語っている。
GT Xオーバーは、「マニュファクチュール・アルピーヌ・ディエップ・ジャン・レデレ」と呼ばれるフランス・ディエップにあるアルピーヌ工場で生産される。駆動方式は四輪駆動で、バッテリーは少なくとも90kWの容量を提供、全長はアリアと同様の4.9m、最高出力は400ps〜500psを発揮し、ポルシェマカンEVと争えるレベルが期待できそうだ。