アウディR8 LMSが絶対的な戦闘力を見せつけた
記念すべき50回目のニュルブルクリンク24時間レースが5月28日~29日に開催され、アウディR8 LMSで参戦した「Audi Sport Team Phoenix(アウディスポーツ・チーム・フェニックス)」が総合優勝を果たした。
白熱したレースとなった今回は何度もトップのマシンが入れ替わり、レース終盤には降雨にも見舞われる大混戦となったが、今回の勝利により、アウディはこの10年で6回目の総合優勝を果たしたことになる。チーム・フェニックスの15号車(ロビン・フラインス/ケルビン・ファン・デル・リンデ/ドリス・バンスール/フレデリック・ヴェルビッシュ組)による総合優勝だけでなく、さらに3台のアウディR8 LMSマシンがトップ10でフィニッシュし、アウディにとって素晴らしい結果に終わったこのレースについて、アウディスポーツ・カスタマー・レーシング統括責任者のクリス・ラインケは、次のようにコメントしている。
「この勝利には特別な意味があります。レース終盤の数時間は、降雨により、走行しているドライバーだけでなく、ピットのメカニック、エンジニア、ストラテジストも、全神経を集中する必要がありました。今年はファンの方々も、再びサーキットを訪れることができるようになり、ひとつの大きな祭典となりました。このレースで成功を収めることができたことは、大きな価値があります」今年のレースは、24時間全編がスプリントレースとなった――これは、優勝マシンの走行総距離159周という数字に表れている。優勝マシン15号車のR8 LMSは、2014年にアウディが達成した走行距離記録に並んだ。4人のドライバーは一度もペナルティを受けることなく、大きなタイムロスを回避しながら24時間を走り切っている。終盤にはいくつかのポイントで激しい雨となったが、チームはタイヤを正しく選択。ファン・デル・リンデ、バンスール、ヴェルビッシュにとって、24時間レースをアウディで制したのは2回目、フラインスにとっては初勝利。アーンスト・モーザー率いるチーム・フェニックスは、アウディのマシンで4度目の総合優勝を果たしたことになる(写真下はバンスールとヴェルビッシュ)。アウディスポーツGmbHのマネージングディレクター兼アウディ・モータースポーツ部門責任者のユリウス・シーバッハは、以下のようにコメント。
「チームスタッフ全員を祝福したい。この勝利によりチームは再び力強いパフォーマンスを証明した。新しいレースカー、アウディR8 LMS GT3 evo IIは、強豪マシンがひしめく中で、絶対的な戦闘力を秘めていることを示した」
優勝車以外も素晴らしい成績を
今回のレースでは、前述の通り他のアウディR8 LMSも素晴らしい成績を収めた。アウディスポーツ・チーム・カーコレクションの22号車(クリストファー・ハーゼ/ニコ・ミュラー/パトリック・ニーダーハウザー/レネ・ラスト組)は長時間にわたってトップ争いを繰り広げたが、ペナルティ2回でレース終盤に優勝争いから後退、4位でフィニッシュ。
さらに、他の2台のアウディR8 LMSもトップ10入りを果たした。シエーラースポーツ・チーム・フェニックスの16号車(ミケーレ・ベレッタ/クバ・ギエルマジアック/キム-ルイス・シュラム/マルクス・ヴィンケルホック組)は5位、ライオンスピード・バイ・カーコレクション・モータースポーツチームの24号車(マティア・ドルディ/パトリック・コルブ/クリストファー・ミース/パトリック・ニーダーハウザー組)は6位。同チームの23号車(デニス・フェッツァー/クラウス・コッチ/デニス・マーシャル/サイモン・レイチャー組)は13位。シエーラースポーツ・チーム・フェニックスの5号車(リカルド・フェラー/ケルビン・ファン・デル・リンデ/ヴィンセント・コルブ/フランク・スティップラー組)は、今回参戦した7台のアウディR8 LMS中、残念ながら唯一のリタイア(写真上)。
Pro-Amクラスに参戦したツインブッシュ・バイ・エキップ・ヴィテス・チームの11号車(エリア・アーハート/ミハエル・ハイムリッヒ/ピエール・カッファー/アルノ・クラーゼン組)は総合14位。激しい戦いが繰り広げられたTCRクラスにはマックス・クルーゼ・レーシングチームからアウディRS 3 LMSが参戦したが、アクシデントによりリタイアを余儀なくされた。