実車においてハコスカは、もはや高嶺の花であり、カスタマイズのベース車としてはあまり現実的ではない。しかしプラモデルなら? ここでは、改造プラモデル雑誌「モデルカーズ・チューニング」から、プラモデルビルダーの吉田優氏による作例をご紹介しよう。
氏は、自分が実車のオーナーになったつもりで、比較的手頃なグレードのハコスカをベースにカスタマイズを楽しむというコンセプトを1/24にスケールダウンして実践。「憧れのクルマへの想像や妄想を、頭の中から引っ張り出し、プラモデルを通して3D化する。なんて楽しい時間なのだろう。だからプラモデルは止められないのだ」と語っている。
ショートノーズにFJ20ETを搭載!
さて、緻密に製作された「NISSAN SKYLINE 1800GL SHORT NOSE with FJ20ET」をご覧いただこう。ハコスカの中でも安くて軽いショートノーズ(4気筒搭載車)をベースに、エンジンはスカイラインRS(DR30)に積まれた4気筒のFJ20ETに換装という設定。リアサスはセミトレに変更し、軽量化のため内装レス化など、走りが楽しめそうなハコスカを再現している。
注目したいのはロングノーズを縮めてのショートノーズ化。そればかりではなく、サーフィンラインが美しいノーマルフェンダーの再構築や、リアバンパーを外した部分のフランジ(リアのバランスパネルとバックパネ ルのつなぎ目)再現、お約束のオイルクーラーに見立ててスクラッチされたインタークーラーなど、実にツウ好みな作業が随所に施されている。
ホイールはアオシマの弥生を使用するが、リアがディープリム過ぎなので、ショートリム化されている。 また、エンジンルーム内もスキがない。タミヤのハコスカGT-Rから移植されたエンジンベイ。そこに収まるのはアオシマのFJ20ETだが、タコ足やパイピング、プラグコードも追加され、しっかり“チューニング”されているのだ。
ストラットタワーバーは、タミヤのハコスカ・ストリートカスタムのパーツを流用している。
この作例は、フジミ・ボディとタミヤ・シャシーを組み合わせて制作しているが、この方法は、プロポーションの良いボディと再現度の高いシャシーを小加工で融合できるお勧めの改造である。
一般的にショートノーズと呼ばれる4気筒 モデル(写真右)。厳密に言えば、ノーズ というよりもフェンダーアーチ後端からド アまでの間隔が詰められている。このカッ トを見るとその違いをお分かりいただくこ とができるだろう。