閑静な住宅街に突如現れる「アメリカ」は、完全に”ガレージ中心”に建てた家。
父親のアメリカ好きに影響され、昔からアメリカンカルチャーが大好きだというKさん。横浜市瀬谷区のクルマの輸入販売業「IMP-DOME」に勤務し、自身では1966年式のシボレー・カプリスを所有し、ガレージに格納している。建物は、ライトグリーンのサイディングにホワイトのドアと窓枠、ガレージに収まるクリームイエローのカプリスとのコントラストは、ここだけ見ると日本とは思えない。Kさんのライフスタイルは、気が付いたらクルマはアメリカ車、洋服はアメカジというもの。
新居を考えたときは、カリフォルニアで見たような平屋のサイディングの家に、別棟にアメリカのフルサイズ車が2台入るガレージを希望していた。約1年かけて探した土地は、奥様の実家から距離が近い閑静な40坪の土地。流石にスペースの都合上、平屋にアメ車2台のガレージというわけにはいかなかったが、ビルトインガレージ付きの家づくりは、ここからスタートすることとなる。
自身で建材を調べて輸入も
建築・設計を担当したのは、知人の紹介で出会った「マイトレジャー」。神奈川県の湘南地区を中心にこれまで2,000棟以上の建築実績がある地元に根づいた建築会社だ。希望する住宅の第一の条件はもちろん「カプリスが入るビルトインガレージ」。実際のプランニングは、1階にフルサイズのアメ車であるカプリスが入るガレージに、居室が1つ。2階にLDKと子ども部屋という、完全にガレージ中心の割りきったものとなった。
ガレージと玄関の動線や、屋根勾配、天窓はKさんのリクエストによるもので、おおまかなプランをスケッチして「マイトレジャー」の設計士・近藤さんに依頼し、図面を描いてもらったという。ディテールもアメリカンスタイルにこだわったため、スイッチプレートや電源プレートなどはアメリカからKさん自身が輸入して、施工をお願いしたという年の入れようだ。
サイディングもKさんが色々探し、ニチハ製の品番を指定。外溝は知り合いに依頼したということで、ホワイトの柵と玄関まわりのデッキ材により、一層カリフォルニア風のスタイルへと変貌した。Kさんが思い描いていたアメリカンスタイルな世界は、木造2階建てのビルトインガレージ付き住居として実現したのであった。