ランボルギーニ

国宝級の5.2L自然吸気V10エンジン! 意外とデイリーユースも考慮された柔軟さが魅力のランボルギーニ・ウラカンSTOを駆る!

スパルタンと柔軟性を両立するスーパースポーツ

戦闘的なエアロダイナミクスに加えて試乗車はブルー×オレンジの派手な出で立ちで、いかにもスパルタンだが、デイリーユースもしっかり考慮されている。サーキット以外でもドライバビリティの高さが楽しめる。

2024年までにすべてのモデルがハイブリッド化されるランボルギーニ。ウラカンが搭載するV10エンジンもそう遠くないうちに役目を終えることになるのだろう。ライバル達がこぞってターボ化されていくなかで、大排気量/マルチシリンダー”NA”で生き残ってきたことに感謝の念すら覚えてしまう。

赤いカバーを跳ね上げてスタータースイッチを押すと目覚めるV10エンジン。アクセルを煽るとワンッと勢いよく吹け上がり、回転落ちも素早い様はまるでレーシングカーだ。今回のウラカンSTOは軽量化と空力を追求したモデルで、V10エンジンはウラカンEVOと基本的には同様ながら専用エキゾーストシステムが与えられているので迫力は増している。

STOはスーパー・トロフェオ・オモロガータの頭文字。ワンメイクレース・シリーズのスーパー・トロフェオ用のマシンを公道走行可能に仕上げたというような意味合いなのだろう。バンパーとボンネット、フェンダーが一体化され、前ヒンジでガバッと開くフロントセクションはSTO専用。ルーフ後端にはエンジン冷却用のフードが設けられ、リアエンドには3段階可変式の大型ウイングが鎮座する。これを立てた状態ならば280km/hで420kgものダウンフォースを発生するが、それでいてドラッグはベースに対して37%も軽減されているという。

ボディパネルの75%はカーボンファイバー製で、軽量ウインドーやマグネシウムホイールなどで約50㎏の軽量化に成功。リアのエンジンフードは専用の工具により着脱が可能となる。

そんな出で立ちのウラカンSTOで走り始めると、まさに公道にレーシングカーが紛れ込んでしまったような感覚だ。高速道路を大人しく流そうとしていても前走車が次々と譲ってくれて、ついそれに応じてしまう。がしかし、当日はスーパースポーツのなかでももっともスパルタンなウラカンSTOを走らせるには最悪ともいえるヘビーウェット。

軽量ボディにワイドなタイヤでは面圧がかかりにくくてアクアプレーニングには要注意だ。だから慎重に走らせたが、想像するよりもずっと接地感が濃厚でヘビーウェットのなかでも水たまりなどに気を付けていれば、それなりにペースをあげても問題はないことがわかってきた。どうやらブリヂストン・ポテンザ・スポーツは、ドライのサーキットだけではなくデイリーユースも考慮しているようだ。

純エンジン車自体が絶滅危惧種だが、スーパースポーツでNAはさらに貴重な存在。5.2Lもの排気量がありながら8500rpmまできっちりと回りきるのはレーシングエンジンさながら。回転落ちの素早さもしかり。

サスペンションも望外なほどしなやかさがあって路面の荒れを巧みに吸収している。もちろん、しかるべき硬さはあって大きな段差などではドシンとボディを揺すってくるが、短いストロークながら衝撃の角を丸めてくれる。ドライビングモードのANIMAは3段階で通常走行用のSTO、ドライでパフォーマンスを引き出すTROFEO、ウェットでパフォーマンスを引き出すPIOGGIAがある。TROFEOはさすがに硬く、一見綺麗でスムーズに見える路面でも凹凸を正直に拾って細かくボディが揺すられる。速度を高めてダウンフォースも効いてくるとちょうどいいのだろう。STOやPIOGGIAならば、前述のようにヘビーウェットでも接地感が濃厚になる。

随所に使われるカーボンパネルやストラップ形状のドアオープナーなどインテリアでも軽量化が見てとれる。ANIMAはウェット用もあり、公道を走れるレーシングカーながらマルチユースを考えたモデルである。

エンジンは4000rpm前後の中間加速も鋭いが7000〜8500rpmのリミット付近はさらに勢いを増す。NAならではの回転上昇とともにリニアにパワーが盛り上がっていく感覚が気持ちいい。サウンドもシビれるほどに官能的で常にその回転域に入れておきたくなるが、残念ながら公道では瞬間的にしか味わえない。

RWDながらビシッと安定していてコーナーでは自由自在な感覚があった。サーキットにいかなければ備えているパフォーマンスを引き出すことなんかできないが、ヘビーウェットの公道でもその片鱗をうかがえることには驚いた。ランボルギーニ史上でもっともスパルタンなモデルといっても過言ではないが、驚くほどの柔軟性も兼ね備えているのがウラカンSTOなのだ。

【Specification】ランボルギーニ・ウラカンSTO
■全長×全幅×全高=4547×1945×1220mm
■ホイールベース=2620mm
■車両重量=1339kg
■エンジン種類/排気量=V10DOHC40V/5204㏄
■最高出力=640ps(470kW)/8000rpm
■最大トルク=565Nm(57.6kg-m)/6500rpm
■トランスミッション=7速DCT
■サスペンション(F:R)=Wウイッシュボーン:Wウイッシュボーン
■ブレーキ(F:R)=Vディスク:Vディスク
■タイヤサイズ(F:R)=245/30 R20:305/30 R20
■車両本体価格(税込)=41,250,000円
■問い合わせ先=ランボルギーニジャパン ☎0120-988-889

ランボルギーニ・ウラカンSTO公式サイト

フォト:篠原晃一/K.Shinohara ルボラン2022年7月号より転載
石井 昌道

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