「毎日1テーマずつ読めば、1か月後に所さんみたいな思考になれる！」
「所ジョージの世田谷ベース」の最新号は記念すべき50号目。雑誌『Daytona』で6年以上連載を続けてきた「トコロ辞典」の膨大なアーカイブを再編集し、一冊にまとめた完全保存版です。ひとつのテーマは約5分で読みきれるので、毎日1テーマずつ読み進んでいけば、おおよそ1か月で完全読破。翌月には、所さんみたいな思考回路に近づいてしまい、楽しくてしょうがない毎日がやってきてしまうというコンセプトで制作、ここではその一部をチラ見してみましょう。
いそがし・い 【忙しい】
することが多くて暇がない。多忙である。「大売り出しの準備で―・い」「猫の手も借りたいほどに―・い」落ち着きなくよく動き回って，あわただしい。せわしない。「小鳥が木の間を―・くとびまわる」 ［派生」 ――が・る（動ラ五［四］）――げ（形動）――さ（名） 大辞林参照
トコロ辞典的「忙しい」の解釈
忙しくしたほうが人生は楽しい。後先考えずに何かを始めて、そこで起きた出来事を面白がり、対応していくと、自然と忙しくなってくる。動き出す前にアレコレ考えると、動き出せなくなってしまうので、出だしであまり深く考えないほうが良い。
■忙しいと楽しい
所：秋晴れの気持ちの良い朝に、完成したばかりのバービーフィアットのラジコンを川に持っていって撮影したんだけど、クローラーの走破性が想像以上に良くて、草むらとか大きい石がゴロゴロした道をガンガン走ってくれるのよ。
そうなると、撮影スタッフももっと良い画が欲しくなるもんで、川に露出した石の上を走らせてみましょう！ って展開になったのよ。ワタシもナイスアイディアだと、喜び勇んでラジコンを走らせるわけなんだけどさ。するとどうでしょう、ラジコンが石を踏み外して水没。その瞬間、一切動かなくなってしまったのよ。で、あーあーやっちゃったって空気になるじゃん。
スタッフは、「すいません」って謝るし、ワタシは「いやいや自分の操縦ミスだから気にしないで」ってな具合に、お互い気を遣い合っちゃってさ。がっかりしつつも、この映像くらいでいいやって満足しないでチャレンジしたのは楽しかったよな！ っていうことで事務所に帰ったのよ。
で、あーでもない、こーでもない、ここがショートしたのかあそこがだめなのか？って、色々いじくったんだけど、流石に専門家じゃないと直せそうもないって結論になったんですよね。そのくらいで、そろそろお昼時にもなったんで、スタッフに故障したラジコンを預けて、時間あるときで良いから修理してくれそうな所を探しておいて、って頼んで解散しました。と、まあここまでは話の前段ね。
編集部：そこまででも十分忙しそうですけどね。
所：いやいや、話しはまだまだ先があるのよ。でね、ワタシは家に帰ったんだよね、お昼を食べに。
丁度その頃、スタッフが帰り道の途中で事務所にスマホを忘れたことに気がついたのよ。で、すぐ引き返してきたらしいんだけど、この日は事務所が休みの日で誰もいないと。ワタシは自宅に帰っちゃってるし。ワタシに直接電話しようにも、スマホがないし、番号自体記憶してないから公衆電話も使えない。となったら、直接ワタシの自宅行って呼び鈴押して、頼むしかない。
まあ、簡単に考えたら、お詫びしつつ、事務所を開けてもらえばスマホは奪還できるわけじゃん。でも、その彼は、自分都合でワタシの自宅の呼び鈴を押すのはちょっとなぁ、と考えたと。食事中か昼寝中か、はたまた他の仕事に夢中かもしれないでしょ? そこで、スタッフは閃いた。自分の忘れ物をスムーズに奪還するには、ワタシに役立つ何かと引き換えにするのがスマートだと。役に立つねぇ〜とワタシがニンマリした隙に、あ、そういえば事務所にスマホを忘れまして……という流れで行くしかない！ 幸いにもクルマには今日壊れたラジコンが積んであるし、今日中にコレを修理できれば……と秋葉原に向かって走ったわけだよ。
編集部：おお！ 何もそこまでという気はしますが(笑)
所：儒教の教えでも身についてるのかね(笑) 頼まれれば全然普通に開けてあげるのに……。で、秋葉原に向かったスタッフは、心当たりのあるラジコン専門店に持ち込んで、その場で修理してもらって、成城に取って返して、呼び鈴を押せたと(笑)
編集部：直ったんですね！
所：うん、モーターがショートしたんじゃなくて、ラジコンの受信機ってちょっとの水でも壊れるもので、そこがイカれてたんだって。水周りでラジコン走らせるときには受信機はガッチリ防水するものなんだってさ。それも勉強になっちゃった上に、直ったもんだから、その後事務所で再びラジコンいじりに突入しちゃってさ、結局朝８時から、夕方まで一日中そのスタッフも含めてみんなで作業(笑)
なんか、平日なのに日曜日みたいで、週に２回日曜日が来た感じがして楽しい一日になったんだよね。で、ラジコンいじくりながらスマホ忘れてからの顛末をスタッフから聞いてね。やっぱり人生は忙しくしたほうが楽しいよなって、思ったよ。
編集部：たしかにラジコンを川に持っていこう！ って所から始まって、その後壊れたり、直したり、忙しいけど楽しい展開が続きましたね！
所：無難に過ごし、誰にも怒られないような、迷惑をかけない生き方を当たり前とする人は、川行こうとか、水際の岩場を走ろうとか、壊れたから秋葉原行っちゃおう！ とか考えないでしょ。とにかく、迷惑かけないように、他人と関わらないっていうやり方にしちゃう。それが楽だから。で、そんなことしてると当然ヒマになる。で、「何もやることがない！」とか言い出しちゃう。
編集部：本人は本気でそう思っているんでしょうね。
所：他人様に迷惑をかけないってことは大事だよ、でもさ、「迷惑をかけない＝ 他人と関わらない」じゃないのよ。関わらないんじゃなくて、自分がコレだと思う方法で生きようとすると、色んなモノが勝手に関わってくる。だから、考えすぎても無駄なの。後先考えずに何かを始めて、色んな事が起きても面白がって、対処していくの。忙しいけど、それが楽しいってことだよ。つまりね、動くってことが本当に大事なんだよね。
編集部：動き出す前にアレコレ考え過ぎちゃって、動き出せないっていうパターンに陥っちゃう場合もありますもんね。
所：たとえばちょっと話が大きくなるけど、政府がさ、7割テレワークにしてくださいって言ってたことあるじゃん。だったら取りあえず7割交通機関を止めればいいじゃんって思いましたね。そうすりゃ、自然と7割テレワークになるよ。
でもさ、どこにも角が立たないよう、迷惑かけないよう、無難にしたいからやらないじゃん。何かをすすめる時に、どこかで角が立ったら、それを平らにするのが政治でしょ。もう、単に自分の希望を述べているだけで、何も実行してない。見て見ぬ振りしてるのと同じだよね。それじゃ、政治家として楽しくないでしょ。
所さん的「情報」の続きは、所ジョージの世田谷ベース vol.50をご覧ください！
【写真7枚】『所ジョージの世田谷ベース vol.50』をチラ見！
所ジョージの世田谷ベース vol.50
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・掲載テーマ
あいそ【愛想】
あつ‐くるし・い【暑苦しい】
いそがし・い 【忙しい】
おとしあな【落とし穴】
おも‐しろ・い【面白い】
おもい‐つ・く【思い付く】
おんきせ‐がまし・い【恩着せがましい】
かた‐づ・ける【片付ける】
かんが・える【考える・勘える】
き‐しょう‐てん‐けつ【起承転結】
クリエーティブ【creative】
クレーム【claim】
けっ‐こん【結婚】
けん‐ぜん【健全】
こ‐せい【個性】
ころばぬさきのつえ【転ばぬ先の杖】
し‐あわせ【幸せ・仕合（わ）せ】
じっ‐しつ【実質】
しっ‐ぱい【失敗】
じょう‐ほう【情報】
そうぞう‐りょく【想像力】
ちゃく‐ち‐ てん【着地点】
て‐ま【手間】
てい‐ へん 【底辺】
てん‐ごく【天国】
ととの・う【整う】
のり‐しろ【糊代】
ヒーロー【hero】
ひにちじょう（せい）【非日常（性）】
ひょう‐げん【表現】
べん‐り【便利】
まと‐はずれ【的外れ】
まん‐ぞく【満足】
め‐くじら【目くじら】
メリット【merit】
やくにたつ【役に立つ】
やり‐なお‐す【やり直す】
よ‐ゆう【余裕】
ルール【rule】
わ・る【割る】
