スズキが新たな軽自動車「スペーシア ベース」を発売。その名が示すようにスペーシアの派生モデルだが、乗用車ではなく商用車だ。しかし、仕事だけではなく遊びにも存分に使えるモデルに仕上がっていた。
軽商用車でも乗り心地と静粛性は軽乗用車に迫る
近年、車中泊を楽しむ人が増えている。乗用車でも前席をフルリクライニンすれば仮眠はできるが、一晩過ごすための環境として快適ではない。だからといって、キャンピングカーは本格的な仕様になるほど日常の用途には不向きだ。
そこで注目されるのが、軽商用車だ。広い荷室スペースを備えるだけに、自らの工夫で車中泊を楽しんでいる人も多いはず。そんな、車中泊を含む多用途に使いこなすためのアイディアを満載して投入された軽商用車が、スペーシア ベースだ。軽乗用車のスペーシアの派生モデルなので、まずは安全や運転支援のための装備が充実していることで安心できる。
【写真10枚】遊びに仕事に幅広く! 万能軽商用バン・スペーシア ベースを写真で見る
そして、アイディアとして大注目なのが、荷物スペースのアレンジを上中下段および前後分割の4モードから選択可能な大型のマルチボードを標準装備すること。下段モードで前席をフルリクライニングすれば、大人2人がゆったり車中泊できるスペースが生まれる。
また、上段モードで後席シートの背もたれを前倒しにして腰をかければ、マルチボードがデスク代わりになる。カフェのテーブルよりもワークスペースが広く、移動オフィスになる。
しかも、最大積載量が200kgに達するのでサスペンションは引き締められているが、乗り心地が犠牲になっていない。床もボディがムキ出しにはならずカーペットや樹脂で覆われているので、遮音性で不満を感じることもない。
自然吸気式エンジンは、軽商用車クラス最高の低燃費を実現。日常的な場面でもアクセルを踏み込む機会が多くなるものの、耳障りなノイズを発しないのでためらわずに必要な力強さが確保できる。
惜しまれるのは、ステアリングの手応えに切り始めだけ少しばかり抵抗を感じること。それが改善されれば、ロングランを終えた車中泊もラクラクこなせそうだ。
【Specification】スズキ・スペーシア ベースXF(2WD・CVT)
■全長×全幅×全高=3395×1475×1800mm
■ホイールベース=2460mm
■トレッド=1295/1300mm
■車両重量=870kg
■エンジン型式/種類=R06A/直3DOHC12V
■排気量=658cc
■最高出力=52ps(38kW)/6500rpm
■最大トルク=60Nm(6.1kg-m)/4000rpm
■燃料タンク容量=27L(ガソリン)
■トランスミッション=CVT
■サスペンション(F:R)=ストラット:トーションビーム
■ブレーキ(F:R)=Vディスク:ドラム
■タイヤサイズ(F&R)=155/65R14
■車両本体価格(税込)=,547,700円
■問い合わせ先=スズキ株式会社 ☎0120-402-253