2023年春の発売が予定されているホンダの「ZR-V」。今回は発売前の同モデルをアップダウンの激しい群馬サイクルスポーツセンターで試乗を行なった。その走りっぷりは期待以上の仕上がりだった。
縦横無尽に駆け回れるホンダならではのSUV
ホンダから新たに登場したZR-Vは、ヴェゼルとCR-Vの間を埋めるSUVとなる。北米仕様のボディサイズは全長4567×全幅1839×全高1610mmでホイールベースが2654mm。
これはヴェゼルに対して全長で+237mm、全幅は+49mm、全高も+20mmとひとまわり大きく、CR-Vとほぼ変わらない。だが、シンプルでスタイリッシュなデザインのおかげか、実際のサイズ以上にコンパクトな印象だった。
ちなみにヴェゼルはフィットベースだが、ZR-Vは新型シビックがベースとなる。
パワートレインはシビックと同様で、ガソリンモデルが178ps/240Nmを発生する1.5L直列4気筒ターボとCVTの組み合わせ。一方、ハイブリッドのe:HEVは141ps/182Nmの2L直列4気筒に184ps/315Nmを発生するモーターを組み合わせる。
それぞれのユニットにFFと4WDの2種を設定。グレード展開は上級の「Z」とベーシックの「X」をラインナップする。
【写真12枚】ホンダらしさが詰まったスポーティなSUV、ZR-Vプロトタイプの詳細を写真で見る
今回の試乗はコーナーの連続するアップダウンのあるクローズドコースでの走行となった。ZR-Vはサスペンションのダンピング特性の最適化、ボディ剛性のアップに加え、ステアリングフィールの改善で、コーナーでの身のこなしもよく、操舵に忠実な走りを堪能できる。
また、e:HEV(4WD)はガソリン車に比べて100kgほど重くなっているというが、登り勾配の連続コーナーも軽々とクリアしていく。モーターの大トルクが重さを打ち消す一方で、全体の落ち着き感が増して走りの質感が高まっていることを実感できた。
なお、ZR-Vの発表は2022年秋の予定だが、半導体不足などの要因によって発売が2023年春に延期されてしまったのが残念……。
【Specification】ホンダZR-V e:HEV
■全長×全幅×全高=4567×1839×1610mm
■ホイールベース=2654mm
■エンジン種類=直4DOHC16V+電気モーター
■最高出力=141ps(104kW)/6000rpm
■最大トルク=182Nm(18.6kg-m)/4500rpm
■モーター最高出力=184ps(135kW)/5000-6000rpm
■モーター最大トルク=315Nm(32.1kg-m)/0-2000rpm
■燃料タンク容量=57L(レギュラー)
■トランスミッション=CVT
■サスペンション(F:R)=ストラット:マルチリンク
■ブレーキ(F:R)=Vディスク:ディスク
■タイヤサイズ(F&R)=225/55R18
■問い合わせ=本田技研工業 ☎0120-112-010
※スペックは暫定データ