Garage Life

なんと10台ものクルマが入る巨大ガレージ! 共通のクルマ趣味を楽しむ親子がシェアする賃貸ガレージ。【ガレージライフ】

田畑が広がる自然豊かな地域でガレージを楽しむ、理想のクルマ好き親子のガレージライフ。

クラシックな共通の趣味を、親子で楽しむガレージ。
春のクルマのイベントでクルマが気になって声をかけたのは、フォルクスワーゲン・タイプ3をドライブするMさん。クルマのことを聞いてみると、イベントには新潟県から仲間たちのほか、父親も一緒にエントリーしたのだという。父親のほうのMさんに話を伺ってみると「豪華ではないが、クルマは複数ガレージに保管しているよ」とのこと。早速そのガレージを取材させていただくことになった。

ガレージの住所を聞いてクルマを走らせると、田園風景が広がりところどころに集落が点在している。その中の集落の一角に、今回のMさん親子のガレージが現われた。この地域は冬になると積雪があるため、ほとんどの家にはガレージまたはカーポートが設置されている。新潟県のクルマやオートバイが好きな仲間たちは、12月から3月まで積雪があるためクルマに乗れないこともあるというが、逆にクルマを進化させる時間として割り切っているらしい。

Mさん親子は自宅のスペースでは手狭になり、10年前から自宅の近所でガレージを借りてクルマを保管しているとう。現在のガレージは、いまから4年前に見つけて賃貸ガレージの契約を結んだ場所。現在の場所の決め手は自宅からおよそ5分と近いこと。そしてクルマが10台入れられる巨大なスペースが、親子にとっては良かったそうだ。

【写真14枚】少しずつクルマを進化させ、仲間たちとイベントに自走で行くMさん 

クルマをカスタムする秘密基地。少しづつ進化させて時間を共有。
実は、賃貸ガレージとする以前は工場として使っていたようで、現状で借りることを条件に多少のカスタマイズができるなど、大家さんには好条件を出してもらえた。大家さんが向かって左のクルマ4台分のスペースを使うため、許可をとって工務店に依頼して自分たちでもう1枚、「ノイルシャッター」製の手動式を追加した。そして同時に、Mさん親子が所有しているクルマが出し入れできるように木製のスロープも造作してもらった。なぜなら2人が所有しているクルマ、すべてがローダウンが施されているからだ。

そしてこれまで借りていたガレージから、作業台や棚を引っ越しさせてここでのガレージライフがスタート。息子さんはクルマの整備が本職のため免許も取得しておられるので、ある程度自分の手でクルマのメンテナンスが可能。コンピューターの入らない’65 年式VWタイプ3・ノッチバックのキャブレター車のメンテナンスは、楽しくて仕方ないという。お父さんの所有する1968年式トヨタ・クラウンや1988年式VW カラベルなども彼ら2人の楽しむ道具といったところ。ただし、クルマは常に走ることを条件にカスタマイズすることがポリシーだという。

ガレージには溶接機など重機がないため、クルマは自分たちでパーツを分解するが、内容により地元の「曽山製作所」や内装の専門ショップに持ち込んでカスタマイズ。工具は場所によって使いやすいメーカーのものを用意しているため、メーカーはばらばらという。イベントが近くなるとガレージで共同作業することもあるが、普段はガレージで会うことは少ないというのは不思議な気もする。お互い、アメリカンカスタムに興味があり、同じ方向でクルマをいじることもシェアできる大きな要因かもと考える。

クルマは最大、ガレージに詰めれば10台入れることができるスペースを、現在は賃貸で借りている。VWを中心に国産旧車などクラシックカーを昔からコレクション。息子さんのHさんは、子どものころからイベントに行っていたことの影響が大きいという。必要に応じてパーツを購入したり造作したりと少しずつクルマを進化させ、仲間たちとイベントに自走で行くことが楽しいという。ガレージには冷暖房もなく、トイレもホイールで埋まって使用ができないが、ひとえにクルマに対する愛情の強さゆえ。常にクルマの進化を考えることでガレージのある生活を楽しんでいる。まさに理想の親子といっても過言ではないだろう。

◆PLANNING DATA
 所在地:新潟県
 敷地面積:約300坪
 ガレージ面積:約40坪
 構 造:木造プレハブ
 愛 車:1988年式 VW カラベル
     1975年式 トヨタ・ハイラックス
     1965年式 VW タイプ3
     1973年式 VW タイプ1
     1973年式 VW タイプ1
     1968年式 トヨタ・クラウン ほか

◆OWNER’S CHECK
 ・一番気にいっているところは?
 お金はかけていないが、このガレージでできることが多いこと。
 あえていえば、溶接機があればもっと作業の幅が広がるだろう。
 ・ちょっと失敗したところは?
 冷暖房があれば、もう少し快適にガレージ作業ができる可能性がある。
 ・次の夢はなんですか?
 クルマをいろいろなところにドライブして楽しみたい。

Photo / Hiroyuki-KONDO(近藤浩之) Text /Jun-ISHIHARA(石原 淳)

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