ボクらのヤングタイマー列伝

ボクらのヤングタイマー列伝:第26回『フォード・シエラ』皆さんの記憶にあるのと少し違う…!? いえいえ、これが素の”シエラ”なんです!!

遠藤イヅルが自身のイラストともに1980年代以降の趣味車、いわゆる”ヤングタイマー“なクルマを振り返るという、かつて小社WEBサイトでひっそり⁉ 連載していた伝説の連載、その進化版がこの『ボクらのヤングタイマー列伝』です。今回は大好物の欧州フォードの中から、フォード・シエラが登場! しかもRSコスワースを敢えて描かないという大胆なフルスイングですヨ‼

ボクらのヤングタイマー列伝第25回『シボレー・カマロ』の記事はコチラから

敢えて主役のRSコスワースを差し置いて、皆さんの記憶にあるのと違う仕様を描きました!

シエラ。欧州フォードの車種です。日本で正規発売がなかったのにも関わらず、アラフィフ、アラフォー世代では名が知られています。その理由はグループAで日産スカイラインGTS-Rと激しいバトルを繰り広げていた『シエラRS500』(RSコスワースのエボリューションモデル)の強烈な存在感にあります。でもRSコスワース以外のシエラについて日本では、おそらくほとんど知られていません。日本の中古車販売サイトなどでは欧州フォードのクルマも一括してアメリカ車にされていたりするので、欧州フォードというメーカーに興味がないとなかなかわからない車種なのです。

アメリカBIG3の一角フォードは、1911年から英国、そして1931年からドイツに現地法人を設けていますが、英国とドイツそれぞれのフォードは独自の車種展開をしていました。例えば中型サルーンは、英国ではコルティナ、ドイツではタウヌス。名前だけでなく根本から違うクルマでした。しかし両フォードは1970年代以降車種の統合を図り、その結果1982年に登場したコルティナとタウヌスの後緞車シエラも、統一車種として開発されたのです。シエラの特徴は当時流行の兆しがあったエアロルックを取り入れたことでした。外観は先進的なので内面もFRからFFに転換など進化していると思いきや、縦置きFRのまま。実はコンサバな設計だったのは興味深いところです。

しかし中堅モデルだった2車のユーザーは、シエラの未来的なルックスと、ボデイタイプがハッチバックとワゴンしかないことに少なからず拒絶反応を示しました。そこで1983年にスポーティ版のXR4i、1985年にはそれをさらに過激にしたRSコスワースを追加。その後1987年にクセの強かったフロントを大きくフェイスリフトし、ようやくセダンを追加、巻き返しを図って行きました。英国ではサファイアと呼ばれたセダン版のRSコスワースもラリーで活躍していたことは、往年のラリーファンならよくご存知のことでしょう。

しかしRSコスワースの巨大で”目力の強い”顔が実は当初高級版のギアとXR4iのみの仕様で、それ以外は小さいヘッドライトだったこと、後期型はRSコスワースの3ドア以外は全く違う顔だったことはほとんど知られていないはずです。そこで今回は敢えて主役のRSコスワースを差し置いて、その”小さい目”仕様や皆さんの記憶にあるのと違う窓割の3ドア、4ドアを描きました。このコーナーらしいでしょ(笑)。「おおー! 今回はシエラか! コスワースだー!!」と勇んで読んで下さった方ゴメンなさい(汗)。

ちなみにシエラは1992年にモンデオにバトンタッチして生産を終えました。えー!そうなんだ! モンデオの前の車種だったんだ……ということも、きっとこれまた全く知られていない話なのかもしれません(涙)。

カー・マガジン481号より転載

この記事を書いた人

遠藤イヅル

1971年生まれ。東京都在住。小さい頃からカーデザイナーに憧れ、文系大学を卒業するもカーデザイン専門学校に再入学。自動車メーカー系レース部門の会社でカーデザイナー/モデラーとして勤務。その後数社でデザイナー/ディレクターとして働き、独立してイラストレーター/ライターとなった。現在自動車雑誌、男性誌などで多数連載を持つ。イラストは基本的にアナログで、デザイナー時代に愛用したコピックマーカーを用いる。自動車全般に膨大な知識を持つが、中でも大衆車、実用車、商用車を好み、フランス車には特に詳しい。

遠藤イヅル

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