コラム

ドイツの高速バスは日本より快適で安かった!? ミュンヘンからバイロイトまで往復500km乗ってみた感想は?【池ノ内ミドリのジャーマン日記】

交通違反をやらかしてしまったオハナシも……

トシを重ねると、1年があっという間に過ぎ去る感じがするのはなぜでしょうね?(笑)

2022年も終わり、2023年もスタートしましたが、ドイツは大寒波に見舞われ日中最高気温は−5℃前後という日々が続いています。ここ数年は暖冬続きだった事もあり、久々にしっかり雪が降って銀世界は少しウキウキしてしまいます。

久々の銀世界のミュンヘンは美しい。

私の愛車には既に冬タイヤを装着していますし、ⅹDrive(全輪駆動)なので、雪が積もっても一応は安心なハズなのですが、雪国出身者ではないために雪道の運転にはかなりビクビクしています。昨年までは全く同じ車種の後輪駆動モデルを所有していたのですが、その時の雪道のスタッグや雪を踏んで滑るあのヒヤリ感はしっかり覚えています。

【画像19枚】ミュンヘン市内の冬景色と高速バス、バイロイトの模様はコチラ

スキーやそりの禁止看板 しかし、突然猛スピードで滑ってくることもるので要注意。

ドイツでもニュースで毎日のように放送されている冬の大事故。起こしてしまって他人様に迷惑をかけてしまう前に、雪の日はなるべく運転をしないように心掛けています。そんなところへ、ドイツ各地に住んでいる友人たちと2泊1日で集おうとなり、全員の居住地の真ん中くらいになるバイロイトで集合する事になりました。

地元ミュンヘンのオリンピック公園の人工池も凍結。

バイロイトへ向かうその日は、私の住む街はお昼前までは−4℃前後だったのですが、その後雨が降り道路は歩くのもやっとなツルツルのアイスバーン状態。愛車で行くのを諦め、急遽高速バスに乗ってみる事にしました。

そり遊びの子供たち。

スマートフォンで簡単に予約が出来て、初めて乗る緑色が目印の『Flix Bus』。高速バスに乗るなんて、一体いつぶりでしょう。コロナ以前はアウトバーン走行中にこの緑色のバスを多く見掛けており、ムリな追い越しをするのでイライラしていて絶対に乗るもんか!と思っていたのですが、まさかこのバスに乗る日が来るとは(笑)。ミュンヘン⇔バイロイト往復約500kmのバスの旅です。

初めて乗車するFlix Busにドキドキ。

行きは水曜日で平日という事で11.99ユーロとお安め、帰りは金曜日で週末料金でしょうか15.99ユーロと少し割高でしたが、それにしても往復で27.98ユーロ(約4000円)と格安です。
乗る時間帯によっても値段が多少変動する上、座席指定をすると更に数ユーロが加算されるのですが、私はそれもケチって当日空いている座席に座る事にしました。鉄道だと必ず途中で乗り換えが必要で往復は約100ユーロ(約14400円)、自走で行くとギリギリ1回の満タンで行けるかどうかで52Lタンクが満タンで約94ユーロ(約13500円)とそれぞれ比較するとバスが一番安く乗り換え不要で宿泊するホテルの目の前が高速バスのバス停という好立地です。

グリコのポッキーはライセンス商品としてMIKADOという名で販売されています。旅にはポッキー!

初めて乗る高速バスに遅れないように、ミュンヘン中央駅近くのバスターミナルへ向けてかなり自宅を早くに出ました。ちょっと緊張しました(笑)。定刻にバスが到着したので、すっかり順調に進む気分でしたが……。
バスターミナルを出て、私が住むエリア(朝夕大渋滞エリア)を通る頃から、まだまだ帰宅ラッシュ時間には早過ぎるのにかなりの渋滞でイヤな予感です。案の定、アウトバーンに合流する前も後にももうかなりの渋滞でStop & Goの繰り返し。グーグルマップをチェックすると、インゴルシュタットまでに2件の事故、その後も事故……。

しかし、車内には各席にコンセントとUSBが備わっており、無料のWIFIに加えて、飛行機のように車内エンターテイメントが備わっていましたし、車内はかなり空いていた事もあって快適です。おまけに平日の午後一の便とあり、かなり空いていました。

行きの車内は平日の午後で空いていて快適。

しかし、普段ならミュンヘンからインゴルシュタットまでは40分前後なのですが、なんとこの日は3時間も掛かってしまい、正直旅行気分もかなり萎えてしまいましたが、ニュルンベルグを過ぎたあたりから少しずつ流れて、運転手さんが巻き返しのために制限速度を大きく超えて走っておられるのをヒヤヒヤしていました。高速バスの乗車中にもシートベルトはしっかりと締めていなければなりませんね。
追い越し禁止区域が解除になれば、バスやトラックも追い越し車線に出ても良いのですが、あくまで追い越したらすぐに走行車線に戻らなければなりません。しかし、このバスの運転手さんはずっと追い越し車線を走っておられ、後続車はさぞかしイライラした事でしょう。私もいつもはこのバスの後続車を運転して、イラっとしている立場ですから(笑)。

バスの車窓から バイエルン地方に多いビール用のホップ畑。

結局は約2時間遅れで到着。約3時間半で着く予定でしたが、それプラス2時間でした。しかし、この安さなので仕方がないか、とみんなで笑いました。とにかく、『Flix Bus』初体験がこんな事になるなんて!

おとぎの国のようなかわいらしい街並みのバイロイト。

世界的なバイロイト音楽祭が夏に開催されるとあり、地名だけはご存知の方もいらっしゃるのではないでしょうか。長くドイツに住んでいるのですが、初めて訪れるバイロイトの街の散策をしようと翌日に出掛けましたが、本当に寒い事ったら! この日の日中最高気温は−8℃程!! ドイツの中でも最も寒い地方のひとつです。中央東に位置し、隣国のチェコにも近く独特な雰囲気の街並みです。まるで映画のセットのようでした。

バイロイト音楽祭を主宰した作曲家のリヒャルト・ワーグナー像は街のあちらこちらに点在。

帰りは結構順調よく走っていたのですが、ミュンヘン手前から事故で停止、その後は凍結でノロノロ渋滞でしたが、一度乗ってみた事で高速バスの様子が分かりましたので、次回から効率良く、安く移動ができるように組めば良いのですから。

さて、話は変わりますが———、わたくしやらかしてしまいました。
ドイツのとある街に宿泊し、翌朝に仕事へ向かう途中に工事現場で様々な車線が混線するところでピカっと光りました。ややこしい道だったので、スピードは出してなかったのでちょっとフシギに思っていたのですが、後にお手紙が届いてびっくり! なんと、大型トラックの後ろに着いて走っていたら赤信号を見落としていて(そこに信号があった事すら気付いていなかった!)、それも赤信号に1秒以上留まっていたという事だったのです。バッチリと写った顔写真とナンバープレート……。

バイロイト市内のクリスマスマーケット。

その数週間後に仕事関係でその州の警察の方と会談する機会があり、お恥ずかしい話ですが、私の交通違反の件についてご意見を伺ってみました。

バイロイト市内のクリスマスマーケットのイエス・キリストの降誕の等身大模型。

警察の方は全く威圧的ではなく、非常にフレンドリーでオープンに耳を傾けてくださったのが唯一の救いでしょうか。もちろん違反は違反で言い訳はできませんが、その場所は警察でも有名な、いわゆるトリック的な場所だという事を教えてくださいました。初めてそこを通過する地域以外のドライバーには瞬時に工事現場のややこしい車線を探しながら、信号を見る事は非常に難しい所だとご説明を頂いて、その違反の件で弁解を文書で提出してみてはどうか、とご提案を頂きました。

同じ州内でも、建物の様式がかなり違います。

ただ、現時点では警察署ではなく、管轄は治安局です。警察官の方から教えて頂いた通りに記載して文書を送ってみたのですが、更に拡大された写真に『証拠写真』と太字で記載されていて、より悪者の違反者感が満載の返信が届いて心が折れました。

ドイツ国内はもちろんの事、近隣の諸外国を取材でかなりの頻度で長距離を走りますので、交通違反にはかなり神経を使っていますし、日頃用心しながら走っているだけに悔しさやら情けないやらで自己嫌悪に陥ります。

赤信号見落としの罰則書類。

まだ罰則確定の通知はきていないのですが、警察の罰則のリストを見る限りでは228.50ユーロ+手数料、更には2点と1ヶ月の免停という非常に重い罰です。自動車保険の弁護士特約にも相談してみたのですが、回避は不可との事でした。

日本からドイツにお仕事や観光でいらっしゃって、レンタカーを借りて移動をなさる方も多くいらっしゃるかと思います。その存在すら全く知らなかった私もバカで無知で言い訳にもなりませんが、スピード違反を取り締まるオービスの他に赤信号侵入のオービスもありますので、どうぞみなさんもドイツにいらした際にはご注意くださいね。
両者の見た目は全く同じですので、見分けは付きません!

この記事を書いた人

池ノ内 ミドリ

武蔵野音楽大学および、オーストリア国立モーツアルテウム音楽院卒業。フリーランスの演奏家を経て、ドイツ国立ミュンヘン大学へ入学。ミュンヘン大学時代にしていた広告代理店でのアルバイトがきっかけでモータースポーツの世界と出会い、異色の転身へ。DTM、ル・マン/スパ/ニュルブルクリンクの欧州三大24hレースを中心に取材・執筆・撮影を行う。趣味は愛車のオープンカーでヨーロッパのアルプスの峠をひたすら走りまくる事。蚤の市散策。

池ノ内 ミドリ

AUTHOR

愛車の売却、なんとなく下取りにしてませんか?

複数社を比較して、最高値で売却しよう!

車を乗り換える際、今乗っている愛車はどうしていますか? 販売店に言われるがまま下取りに出してしまったらもったいないかも。 1 社だけに査定を依頼せず、複数社に査定してもらい最高値での売却を目 指しましょう。

手間は少なく!売値は高く!楽に最高値で愛車を売却しましょう!

一括査定でよくある最も嫌なものが「何社もの買取店からの一斉営業電話」。 MOTA 車買取は、この営業不特定多数の業者からの大量電話をなくした画期的なサービスです。 最大20 社の査定額がネット上でわかるうえに、高値の3 社だけと交渉で きるので、過剰な営業電話はありません!

【無料】 MOTA車買取の査定依頼はこちら >>

注目の記事
注目の記事

RANKING