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シンプルなスタイリングが却ってスゴ味を感じさせる!AMT製プラモ「1967年型リンカーン・コンチネンタル」【モデルカーズ】

2ドアが復活する一方、4ドア・コンバーチブルは消滅

アメリカの高級車と言えば誰もが思い浮かべるであろうリンカーンだが、その中でもリンカーン・コンチネンタルは長い伝統と複雑な曲折を持つネーミングである。その最初のモデルは1940年型で登場、1948年型で消滅。この二代目と言うべきコンチネンタル・マークⅡは1956年型において、「コンチネンタル」という別ブランドとして登場している。

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コンチネンタルは元来2ドアのパーソナル・ラグジュアリーであったが、1958年型からはリンカーンの最も豪華なモデル(当然4ドアである)がコンチネンタルと呼ばれるようになった。これはコンチネンタル・マークⅢと名付けられ、翌年型はマークⅣ、その次の年はマークⅤという具合に車名を更新していく。マークⅤからはリンカーン・ブランドに戻ったようである。

そしてリンカーンは1961年型でフルモデルチェンジを実施、このとき全てのモデルがリンカーン・コンチネンタル(ギリシャ数字なし)と名乗るようになった。本来の、超高価な2ドア・パーソナルクーペというポジションは、ずっと後の1969年型リンカーン・コンチネンタル・マークⅢで再度復活するが、これについての詳述は省くことにしよう。

話を1961年型からのリンカーン・コンチネンタルに戻すと、そのボディは4ドアのみであり、セダン(ピラード・ハードトップ)とコンバーチブルの2種という、非常にシンプルなラインナップとなった。「シンプル」という言葉はスタイリングにも当てはまり、ボディサイドにプレーンな面を立てたそのルックスは異彩を放った。数年遅れて他社からも似たようなスタイルの車種が登場、1960年代のアメリカ車のデザインを方向付けたのがこのリンカーンだったと言えるだろう。

この世代のリンカーンは1969年型まで、実に9年の長きに渡って、小さな変更を繰り返しながら生産された。1964年型ではホイールベースが123インチ(3124mm)から126インチ(3200mm)へと延長され、サイドウィンドウが平面ガラスに戻されている(グリーンハウス側面の倒れ込みも緩和された)。1965年型では比較的大きなフェイスリフトを実施、フロントノーズ中央に盛り上がりが設けられるとともに、パーキングランプがコーナーに設置されて、表情が大きく変わっている。

そして1966年型ではボディ外板を大きく刷新、サイドパネルの前後両端は軽く「く」の字になり、そのぶん全長が4インチ(101.6mm)長くなった。また、ウェストラインから一段下にプレスラインが入り、前年までよりも彫りの深い造形となっている。ダッシュボードもそれまでの平面的な形から、くの字断面の立体的な形に変更。また、サイドウィンドウが曲面ガラスに戻されている。そしてこの年最大の変化は、2ドア・クーペ(ハードトップ)が復活したことであった。

1967年型はこの1966型をほぼそのまま引き継いでおり、その変化はごく僅かだ。一番目に付く違いは、フロントフェンダーに大きく入れられていたリンカーンのバッジ(四芒星のシンボル)が省略されていたことだが、グリルパターンなども変更されている。エンジンは引き続き462-cid(7.6L)で、1966、1967年型ともに最高出力は340hp。また、この年を最後に4ドア・コンバーチブルは廃止されている。

貴重なアニュアル・キットだけに色々気を使いつつ制作
1961-1969年型のリンカーン・コンチネンタルはAMTが1/25スケールでプラモデル化しており、全年式が存在する。いわゆるアニュアル・キットだが、再販は1965年型のみ行われており、1966年型以降のモデル(の最終形である1969年型)は一度も再販されてないようだ。ここでお目にかけている作例の1967年型も当然、当時のものであるが、クリアーパーツの傷やクラック、メッキパーツのヤレなど、歳相応の状態であるのは仕方が無いだろう。キット自体はこの頃のAMT製品の標準的なもので、ストックとカスタムが組める2 in 1である。

ボディは重厚感タップリの実車のイメージが良く表現されており、エンブレム等ディテールのモールドもキッチリしていて好感が持てる。全体的にヒケが少し見られる程度で綺麗なモールドがなされており、ボディ表面のうねりも見られない。難点は、ドアのパネルラインが上面となる部分にだけ無く、これを追加する必要がある点と、ボディのエッジにパーティングラインが重なっている点くらいだ。エンジンフードはチリが合わずしかも少し変形していたので、作例では熱を加え変形修正した上でチリの調整を行った。

シャシーは一体モールドのパーツなので少々塗装しづらい。車高およびトレッドは仮組み調整を充分に行なった上で決める必要があるが、このキットの場合、ボディとシャシーとの接合位置が良くなく、注意が必要だ。作例ではトレッドを若干狭め、リアの車高を少し上げる処理を行なった。エンジンはほぼ全てのパーツがメッキされており、これを除去するのに手間が掛かる。また、フロントアクスルのシャフトが貫通する穴があり、これは塞ぐ加工を行った。

ボディカラーはコードMの「ARCTIC WHITE」を選んでみた。このカラーはフォードでは「WIMBLEDON WHITE」と呼ばれているカラーと同じものだ。調色はクレオスMr.カラーGX1クールホワイトにC44タンを少量、GX2ウイノーブラックを微量調合した。インテリアはこのボディカラーとブラックのツートンとしてみた。

作例制作=周東光広/フォト=羽田 洋 modelcars vol.184より再構成のうえ転載

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