エンジンの高効率化により、最大熱効率はなんと40%! ダイハツの受賞は2年ぶり
ダイハツは、「高効率低コスト新型1.2L 3気筒エンジン (=WA-VE/WA-VEXエンジン)」が、「一般社団法人 日本機械学会」かあ「2022年度日本機械学会賞(技術)」を受賞した。同賞は、機械工学・工業の発展を奨励することを目的として1958年に設けられ、毎年優秀な技術功績および技術に贈られているもの。なお同賞をダイハツが受賞するのは、2020年度において「新世代スプリット駆動CVTの開発」で受賞して以来、2年ぶり。
受賞業績名:高効率低コスト新型1.2 L3気筒エンジン
受賞者:奥平 総一郎(オクダイラ ソウイチロウ)氏、頼實 浩一(ヨリザネ コウイチ)氏
堀川 英知(ホリカワ ヒデトモ)氏、武富 慎矢(タケドミ シンヤ)氏
【写真7枚】エンジン車、ハイブリッド車どちらでも優れた燃費を実現!
ダイハツは、カーボンニュートラルの早期実現に向け、自動車の電動化を推進しているが、世の中に広く普及させるためには、高効率化とともに低コストのエンジンを開発することが喫緊の課題になっている。
今回、課題を解決するためエンジン設計素質を徹底的に探究し、最低限の可変機構を搭載した高効率でコンパクトなエンジンを開発。主に、吸気バルブとバルブシートの開口部が最大になる形状とした高タンブルストレートポート(図1参照)の採用により高速燃焼と耐ノック性を高めるとともに、燃焼室のコンパクト化を実現したという。
また、噴射した燃料を吸気気流に乗せてポート喉元に導入する形状としたデュアルポート&低ペネトレーション噴霧(図2参照)やシリンダブロックに常時流水する第一通路とサーモスタットで流水切り替えできる第二通路を内蔵した独自構造の2系統冷却(図3参照)により未燃損失の低減などが可能になった。
これらにより、エンジン車およびハイブリッド車のどちらにおいても優れた燃費(ハイブリッド用は最大熱効率40%)を実現し、CO2の削減に寄与することができた。ダイハツは、今後も低燃費技術をさらに追求し、2050年カーボンニュートラルの実現に向け取り組んでいくという。