魅惑の自動車カタログ

六本木カローラとはオレのことよ!日本でも人気爆発したBMW 3シリーズ(E30型系)【魅惑の自動車カタログ・レミニセンス】第5回

初代の方向性を確実に継承・発展させた二代目

スポーティな小型セダンの代表格として、そろそろ50年に及ぼうかという歴史を積み重ねてきた、BMW 3シリーズ。その前身としてはあの02シリーズがあり、さらにそのルーツとしてはノイエ・クラッセがある訳だが、その歴史の重みはさておき、わが国における3シリーズの人気を決定的なものとしたのは、二代目にあたるE30型系であろう。

【画像14枚】ネオクラシックとして再び人気のE30、そのカタログを見る!

1975年に登場した初代3シリーズ・E21型系の後継車としてE30がデビューしたのは、1982年のことである。そのシンプルなボディラインはE21のそれを発展させたもので、ボディサイズもわずかに拡大されたが、わが国の5ナンバー・サイズにすっぽりと収まる手頃なものであった。初代においては、モデルによっては2灯もあったヘッドライトが、全モデル丸型4灯となったのも特徴だ。

ボディは2ドアのクーペ(セダンと呼ぶ場合もある)とカブリオレ、4ドアのセダンがあり、5ドアのワゴンもツーリングの名で1987年に加わっている。モデルバリエーションは多岐に渡り、車名は数字の下2ケタが排気量を示す(が、その通りでないモデルもある)。エンジンは直列4気筒と6気筒のSOHCがラインナップされ、前者には1.6Lや1.8Lなどがあり、後者には2L、2.3L、2.5L、2.7Lなどが存在。

これらのエンジンは時期や地域によって追加や廃止・変更などが多くあり、それらを説明していると記事が長くなるので、ここでは省かせていただく。シリーズの中枢は4気筒の1.8Lと6気筒の2~2.5Lということになるだろう。サスペンションはフロントがマクファーソン・ストラット、リアがセミトレーリングアームというお馴染みのもので、FRのお手本ともいうべきこのシャシーは、日本車にも大きな影響を与えた。

当時の日本で一番人気があったのも、実際に多く見かけたのも、赤い2ドアだったような気がする(確証はなし)。筆者の場合、映画『マルサの女』で岡田茉莉子が乗っていたのもこんな赤い3シリーズだったな……などということを思い出す。

1985年にはBMW初の4WD(フルタイム方式)の325iXを追加、1986年にはDTM出場のためのホモロゲモデルM3を発売したのち、1987年にマイナーチェンジを実施。この時テールランプなどのデザインが変わったほか、バンパーが鉄製のもの(上下がメッキ)から樹脂製のものに変わった。先述のツーリングが加わったのもこの時である。1989年には、DOHCの1.8Lエンジンを搭載した318iSを追加。そして1990年には、三代目となるE36型系へとモデルチェンジを行っている。

ドイツの薫りが微妙に漂ってくるカタログ
二代目3シリーズといえば思い起こされるのが、「六本木カローラ」というニックネームだ。E30は当時のバブル景気に乗って日本でも大人気を博し、夜の街でカローラのように多く見かけられたところから、誰が呼んだかこんなあだ名が生まれたという。筆者は当時田舎住まいの真面目な中学生だったので、そんな状況を実際に目にしたわけではないが、近しいとある家庭でBMWの525iを購入の際、そこのお嬢さんが「3シリーズではカローラみたいだからいやだ」と口を挟んだというエピソードを、その頃耳にした覚えがある。

もっとも、「カローラ」という例えには、セダンの本質に徹したシンプルで虚飾のないスタイリング、という意味も込められていたのではないかと思う。ありふれたクルマ、という比喩なら「六本木マークⅡ」とでも言った方が相応しかったのではないか。実際に、そのスタイリングにはE70カローラとも通じるものがあったと思う。当時からそのように考えていたので、特に皮肉ともイヤミとも思っていなかったのだが、まあこれは筆者が鈍感なだけかもしれない。

ここでお見せしているのは1988年版の日本市場向けカタログで、サイズは295×210mm(縦×横)、ページ数は表紙を含めて36ページ。当時日本で販売されていた318i、320i、325i、そして325iX、さらにカブリオレとMテクニック(320iと325iに用意された、特にスポーティなモデル)が掲載されている。右ハンドルが用意されていたのは318iだけだったようで、他は全て左ハンドルである。

このカタログはもちろんBMWジャパンの販売活動に供されたものだが、製作・印刷はドイツ本国で行われたもののようで、そのためか文章にも生硬なところが少なくない。掲載の画像からは省いたが、装備品の紹介にあたっては表形式にまとめたものではなく、各モデルごとに1ページをとって文字だけで列挙しているのも、日本車のカタログとは違った雰囲気を醸し出している。各所に見られるそんな独特なところに注目してもお楽しみいただけるだろう。

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