ポルシェ

1964年製のハンドペイント「ポルシェ356 SC」がベース! アルフレッド・ハベリとポルシェセンター・チューリッヒがアートカー製作

アート、クラフトマンシップ、スポーツカーデザインの融合! 世界的工業デザイナーが挑んだポルシェのアートカーづくり

世界的に著名な工業デザイナーであるアルフレッド・ハベリ氏が、「ポルシェセンター・チューリッヒ」とコラボレーションしてアートカーを制作した。1964年に製造されたハンドペイントの「ポルシェ356 SC」は、2023年4月1日(土)にスイス北部のシュリーレンで行われた祝祭イベントで発表され、12月にはオークションにかけられ、その収益は価値ある活動に寄付される予定だという。

このプロジェクトの目的は、スイスの芸術・文化支援における模範となることだ。また、車体製造におけるクラフトマンシップの伝統にも敬意を表しているのだ。ポルシェセンター・チューリッヒのマネージングディレクターであるサッシャ・レアディ氏は、「私たちは、この特別な車を紹介できることを嬉しく思っています。アルフレッド・ハベリの芸術は、デザイン、パフォーマンス、伝統、芸術、そしてもちろんポルシェに対しても、多くの新しい視線を開いてくれます。軽さと完璧さを結晶化させているのです」と話す。

【写真22枚】ポルシェの象徴的なフォルムの言語を引き出した! 

ハベリ氏は、アシスタントのドミニク・プリュール氏とともに356 SCを塗装した。3色の明るい色調の塗料を1キログラムほど、車体表面の約80パーセントに塗布したという。「このポルシェの象徴的なフォルムの言語を引き出すために、ニュートラルな色を選びました」とアーティストは説明する。「筆跡の色と構造は、356のラインを古典的で時代を超えた詩的な方法で強調しますが、自動車の塗装とは異なる方法で、実際、彫刻のようでした」

アート、クラフトマンシップ、スポーツカーデザインの融合であるこの塗装の成果は、『Das Gewicht der Leichtigkeit(軽さの重さ)』と名付けられた。ハベリ氏はそのデザイン哲学において、「精密さ」と「詩情」という2つのテーマを追求しており、彼は常に「軽さ」という概念に魅了されてきた。「少ない手段で多くを引き出し、少ない材料で優れた機能性を実現すること。私は実際に、とらえどころのない完璧な感覚を求めていたのです」

シュリーレンでのお披露目後、ポルシェセンター・チューリッヒの356アートカーはツアーを行い、スイス国内のさまざまな場所やイベントで公開されるという。その後、ケラーオークションハウスの協力のもと、この車は販売される予定。収益は、小児がんの子どもたちを支援するスイスの団体、Kinderkrebshilfe Schweizに寄付される予定でもある。

◆ポルシェ356 SC
1964年に登場した95PSのポルシェ・356 SCは、シリーズ最後の車両となることを意図していた。最後のCシリーズ・ポルシェ356は、1966年5月に納車された。1977年、ポルシェ911にSC(スーパーカレラ)バージョンが発表された。この車も911の最終モデルとして期待されたが、その後911カレラ3.2でシリーズが継続されることになった。

◆アルフレッド・ハベリ
1964年、アルゼンチン・ブエノスアイレス生まれ。1977年にスイスに移住し、チューリッヒのHöhere Schule für Gestaltungで工業デザインの学位を取得した。現在では、チューリッヒのゼーフェルト地区に自身のスタジオを構え、国際的に活躍するデザイナーとなっている。流行を避け、堅実で永続的な品質を放つ、合理的で独創的な現代的作品で知られている。

LE VOLANT web編集部

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