モデルカーズ

エンジン再現こそ1/20プラモの醍醐味!エルエス製「KDR30スカイライン」を最高のモデルへと昇華・後編【モデルカーズ】

そろそろ新たなキット化があってもいいかも…?

日産スカイラインの六代目・R30型系、特に、DOHCを搭載したRS系のモデルについては、前編の記事(下の「関連記事」参照)においてすでに述べた。ここでは、そのプラモデル化に関して、特に作例についての説明も意識しつつ述べていこう。

【画像48点】最高のスカイライン2000ターボRSを作る、その過程を見る!

R30型系スカイラインは模型業界でも人気の的となり、数多くのプラモメーカーがキットをリリースした。1/24スケールでのキット化がやはり多く、タミヤやフジミ、アオシマ、日東、オオタキ、ニチモ……といった各社から発売されている。RSだけでなく、ボディを共用してGT系のモデルもリリースする例が少なくなかったが、特にタミヤは、4ドア・セダンと2ドア・ハードトップの両方を製品化したのが特筆される。

中でも、最も多くの金型を起こしたのはアオシマであろう。まず最初にリリースした1/24キットは『西部警察』のマシンRS仕様に改修され、同シリーズでマシンRSがマシンRS-3に改修されると今度はRS-1/RS-2用に新たな型を起こしている。そして後期型・鉄仮面のキットもリリース。さらにはスーパーシルエット仕様もキット化しているのだから、ただごとではない。1/32スケールでは、やはりアオシマが『西部警察』仕様として製品化しているほか、グンゼ(現GSIクレオス)も4ドア・セダンを再現している。

前編で「この頃終焉を迎えつつあった」と述べた1/20スケールに目を転じると、バンダイが4ドアのRSをリリースしており、これが前期RSのエンジン再現キットとしては唯一のものである。これは最初ただのRSとしてリリースされ、実車にターボRSが追加されると、キットもターボ仕様に改められた。エンジン周りのパーツもきっちりとターボ仕様に変更されているところが素晴らしい。

同スケールでのキット化は他にエルエスの2ドア・ハードトップがあった。これはエンジンなしのプロポーションモデルで、一部のパーツ割りがほんのすこし細かい他は、1/24スケールをほぼそのまま拡大したような内容である。当初、ただのRSとターボのGTで発売されたが、これも実車に合わせてターボRSへと仕様変更。そして後期型のRS-Xとなったのち、金型はアリイ(現マイクロエース)に引き継がれた。マイクロエースからの再販は、しばらくお休みとなっているようである。

ポンと合体!という訳にはもちろん行くはずもなく……
作例として制作された1/20スケールのキットについて、より詳しいところを述べていこう。まずエルエスの2ドアだが、同社製品の特徴としてはやはり、ボディの幅が広めにデフォルメされている、ということがあるようだ。それ以外は、かつてボディ形状の良さを誇った同社だけに、側面形なども非常に良い雰囲気である。そこで、作例ではボディを中央で切断し、幅を2mmほど詰めた。1/20スケールでの2mmは微妙な違いではあるが、やはり完成した姿は格段に良くなった。ただし、グリーンハウス側面が内側に倒れすぎではないかという気もする。

バンダイ製のセダン・ターボRSからはシャシーとホイール、エンジンなどを流用して、フルディテールモデルとした。この頃の1/20モデルは簡略化が進んでおり、かつてのようなドア開閉ギミックはなく、エンジン周りの省略も甚だしいものとなっていたが、このDR30はどういう訳かエンジン周りの再現が細かく、補器のパーツ化も多い。ファイアーウォールなどもただの平面ではなく、プレスパターンや配線の類がきちんとモールドされている。この合体のおかげで非常に見応えのある作例とすることができた。

作例のインテリアはバンダイとエルエスの混成となっている。ドア内張りやフロントシートはエルエスのパーツを使用。後席部分の内張りなどは、ベンチレーターなどもモールドされていて非常に良い感じである。幅を詰めたため合わなくなったダッシュボードとリアシートは、バンダイのものに交換。セダンと2ドアでは、実はリアシートの形状に違いがあるので(2ドアではトランクスルーが標準となるためである)、モールドを追加して2ドア用のシートを再現した。

バンダイのキットは非常に良い内容を持つものなのだが、ボディ形状にはエルエスと違った意味で若干の難点がある。エッジのシャープさに欠けるため、R30らしい硬質な印象に乏しいのだ。これはペーパー掛けで面を整えて解消することもできるだろう。そのほか、フロントマスクが妙に台形過ぎるのと、ヘッドライト内部のパーツのリアリティに乏しいことも気にかかる。逆に言えば、このあたりに手を加えると、非常に素晴らしい4ドアRSを完成させることができるのではないだろうか。貴重なキットをお持ちの方はぜひ制作に挑戦していただきたい。

作例制作=坂中善之/フォト=服部佳洋 modelcars vol.285より再構成のうえ転載

AUTHOR

愛車の売却、なんとなく下取りにしてませんか?

複数社を比較して、最高値で売却しよう!

車を乗り換える際、今乗っている愛車はどうしていますか? 販売店に言われるがまま下取りに出してしまったらもったいないかも。 1 社だけに査定を依頼せず、複数社に査定してもらい最高値での売却を目 指しましょう。

手間は少なく!売値は高く!楽に最高値で愛車を売却しましょう!

一括査定でよくある最も嫌なものが「何社もの買取店からの一斉営業電話」。 MOTA 車買取は、この営業不特定多数の業者からの大量電話をなくした画期的なサービスです。 最大20 社の査定額がネット上でわかるうえに、高値の3 社だけと交渉で きるので、過剰な営業電話はありません!

【無料】 MOTA車買取の査定依頼はこちら >>

注目の記事
注目の記事

RANKING