メルセデス・ベンツ、欧州における救急サービスのパートナーとしてバンソリューションを提案。eヴィトーツアラーや物流用eシタンを見本市で初公開
メルセデス・ベンツは、長年にわたって救急隊のパートナーとして認知され、信頼されている。これは、最近行われた「バイエルン赤十字」の標準型救急車の20周年記念式典で示されただけでなく、ヨーロッパを代表する救助とモビリティの見本市「RETT モビル」に毎年出展していることからもわかる。
今年は2023年5月10日(水)から12日(金)までドイツ中央部ヘッセン州の都市・フルダの展示センターで開催され、レスキューサービスにおける最新のイノベーションが紹介される。展示会に加え、充実したサポートプログラムも用意されている。今回、ホール1の340平方メートルのブースでは「国際化」をテーマに、メルセデス・ベンツがドイツ国内の消防・救助隊だけでなく、ヨーロッパ全域で協力していることをアピール。この協力は基本的な車両の提供だけでなく、各ボディメーカーとの協力にも及んでいる。
救急車としてメルセデスベンツ・スプリンターを導入
展示車両の基本モデルは「Wietmarscher Ambulanz- und Sonderfahrzeug GmbH」の5t スプリンターシャシーにボックスボディを装着したもの。スプリンターは、現行の排出ガス基準Euro VIに適合する140kWの4気筒ディーゼルエンジンを搭載し、後輪駆動と9G-TRONICトルクコンバータ式オートマチックトランスミッションを備える。
搭載されるアシスタンス・安全技術には、クロスウインドアシスト、レーンキーピングアシスト、ヘッドライトアシスト、アクティブブレーキアシストなどだ。中でも、クルーズコントロールとランバーサポート付きコンフォート運転席・助手席は、ドライバーの快適性を高めている。
このボックスは、患者と救急隊員の双方に完璧な装備を備えている。内装は救急処置に十分なスペースを確保し、医療機器は省スペースで機能的に収納され、内装の完全なLED照明は理想的な照明環境を作り出すだけでなく、非常にエネルギー効率に優れている。新設計の患者用リフトは耐荷重500kgで、人間工学に基づいたストレッチャーへの積み下ろしを容易にする。
救急医療車としてのメルセデス・ベンツeヴィトー ツアラー
メルセデス・ベンツの「eヴィトー ツアラー」は、救急医療車に必要な機能を備えているのが特徴。今回の展示車両(eヴィトー ツアラー、使用可能バッテリー容量90kWh:消費電力は27,8-27,7kWh/100km、CO2排出量は0 g/km:0g/km)は、高効率の電気モーターを搭載し、150kW(204ps)の出力と345Nmのトルクを発生する。
航続距離は最大370km(WLTP)であり、緊急時の行動範囲として十分な広さを確保している。また、急速充電機能により、オプションの最大充電出力110kWのeヴィトー ツアラーを45分以内に充電し、充電レベルを80%に戻すことが可能。
メルセデス・ベンツ「eシタン」 消防署やレスキュー隊の物流用途に
RETTモビルでは、メルセデス・ベンツの子会社である「CARS Technik und Logistik GmbH」がコンセプトカーとして改造したeシタンが初公開され、メルセデス・ベンツのトリオが完成する予定。救助活動用のロジスティクスカーとしてWiedemar社から導入された。
この目的のために、この車両はヘビーデューティーなプルアウトを含むインテリアフィッティングだけでなく、バイフォイリングも受けた。片側は消防署の車両として赤と黄色、もう片側は救助活動で使用するための黄色とオレンジのeシタンが紹介されている。
まもなく発売されるeシタンは、パネルバンとして4,498mmと4,922mmの2種類の長さが用意される。タイプによって異なるが、航続距離はWLTP基準で280~284キロメートル。つまり、レスキュー分野での多くの用途に対応することになる。急速充電ステーションでは、設置された80kWのDC充電器2により、45kWhのバッテリーを38分以内に10~80%(充電状態)まで充電することができる。積載量とペイロードは、従来型パワーモデルのシタンに匹敵するが、コンパクトなパネルバンは2.9立方メートル、最大544kg、ロングホイールベースは3.7立方メートル、最大722kgとなっている。