Garage Life

絶妙なバランスでコストダウンを実現! アメリカンテイスト満載、愛情満載のガレージハウス【ガレージライフ】

「独身のうちに自分スタイルの家を構えたい」そんな思いで建てたアメリカンスタイルのガレージ付き新居は、DIYを実行してコストを抑えた納得の城!

神奈川県横浜市。インターチェンジから交通アクセスのいいその地に、新築のガレージハウスが建った。施主は会社員のKさん、34歳(取材時)。会社からクルマで通勤30分圏内の地を探して不動産会社に相談。10軒あまりの土地を見て、この30坪の土地を選んだ。間口は約5m46cm。ガレージ付きの住宅を建てることが条件のため、なるべくフラットな土地で、深夜のクルマの出し入れを考えてあえて住宅地を避けた土地を選んだという。

今回、建築を依頼したのは埼玉県に事務所を構える「三愛ホームコーポレーション」。友人が建てた物件を見て、紹介してもらった会社だ。土地を決める前から打ち合わせはスタート、ガレージ付きの家を建てることと、なるべくKさんが気に入った施主支給による部材を使いたいこと、をあらかじめ伝えておいた。

なぜなら、昔からクルマやファッションにこだわるように、既成品よりもアンティークなものを好むことから、一生に一回、家を建てるなら好きなスタイルの家に住みたいと考えていたからだ。当初から住宅メーカーで家を建てることはないだろうと、注文住宅を受けてもらえる会社に絞っていた。そこから、知り合いを通じてある程度の要望を受けてもらえる会社となったわけだ。「結婚したら両親、妻の意見が出てくる。だから独身のうちに建てたかった」と語る施主のKさん。

「三愛ホームコーポレーション」は関東を中心に注文による木造の在来工法、パネル工法、2×4工法をはじめとした注文住宅を得意とし、自然素材をベースとした部材を勧めている。K邸の場合は、施主のK氏が平面図を描き、それを山口社長が図面に起こしていった。イメージで伝えたいときはKさんが雑誌の写真やWEBで見つけたものを見せて方向性を決めた。

リビングに使用した床材はスウェーデン産のパイン材、リビングの支柱は静岡産のヒノキを使うなどイメージに合わせて木材を選んだ。スウェーデンハウスの代理店も兼ねていることもあり、スウェーデンに住宅環境の勉強をしに渡るなど、今まで多くの木材に携わってきた山口社長の本領発揮だ。

【写真17枚】コストダウンを図り、DIYによって愛情が注がれたガレージハウス 

あらかじめ予算を決めていたKさん、予算をオーバーした分はDIYの作業でセーブすることになった。木材のペイントは、大工さんが作業している中、Kさんと友人が刷毛を使って塗ったものがほとんど。オスモカラーのオイルステンを通信販売で購入して、休日を使って塗ったそうだ。

「天井が大変でしたね。でもだいぶコストが削減できたのではないでしょうか」とKさん。その御礼に扉にサポートした友人の名前のピンストライピングが入る。山口代表もコスト削減のためにいっしょになって考えたそうだ。キッチンはIKEAのものを購入して導入したり、レンジフードはインターネットで通常の半値以下で購入したものを施工。キッチンのタイルも施主のKさんが購入し、タイル職人によって貼ったものだ。

Kさんがネットで購入したものを支給してコストダウンを図り、DIYによって愛情が注がれた家。ガレージドアには「レムコ」製のスティールフラットドアが入った。外壁とのカラーリングのマッチングもぴったりとなり、絶妙なKさんのこだわりがあり、バランスよくシックにまとめられたガレージハウスとなった。

建坪はおよそ18坪、編集部推定で建築費は1850万円。施主支給商品を受け入れた結果、実現できたコストの削減。頑張って部材を探した苦労は、いま振り返ると楽しかったそうだ。現在、彼女と暮らすKさんはチャンスがあったらもう1回、家を建ててみたいという。

◆BUILDER’S CHECK
ガレージハウスの施工は、K邸がはじめてでしたが、いろいろな資料を見せていただき参考にしながらプランニングができました。当初はクルマが建物の外という考えも持ちましたが、Kさんのライフスタイル、こだわりを考えるとクルマのそばで暮らしたいとといイメージがつかめました。ガレージというよりも、クルマが入るホビールームを1階に完成させたという邸宅です。

Kさんの志向が決まっていたので、思い描いた平面図を完成させ、お手伝いができたかなと考えています。当初の見積もりよりもコストダウンを図るために、ペイントのお手伝いをしていただいたり、2人でIKEAにキッチンを買いに行ったり、ホームセンターにも2×4材を購入したりと私も楽しく仕事をさせていただきました。

これからもガレージをはじめ、趣味のある人の家も携わらせていただきたいと思います。わが社のモットーは「快適な暮らしができる家」。では、日本における住宅の建て替えサイクルが短いのはなぜでしょう。その差は主に、住宅の構造にあると言われています。柱や梁で支える日本の家より、面で構成する北米式の2×4構造はより強く、さらに厚く丈夫な面で構成するパネル工法でつくられるのが”スウェーデンの家”です。

断熱性・遮音性・耐震性に優れ、地震の多い日本でも優れた耐久性を発揮します。「三愛ホームコーポレーション」では、北米型の2×4住宅に使用されている木材規格38mm×89mmの縦枠に比べ、45mm×120mmもの断面積を持つ、高強度の木材を使用しています。細かなこだわりを持ちながら、楽しく快適に過ごせる家を建ててみてはいかがでしょうか?

 設 計:山口聖勝さん (三愛ホームコーポレーション)
 施 工:有限会社サンアイクリエイト 埼玉県川口市安行領根岸1956-5
     phone:048-288-2121   http://www.sanaihome.com 

◆Planning Data
 所在地:神奈川県横浜市
 施 主:Kさん
 家族構成:彼女と同棲
 竣 工:2010年7月
 敷地面積:100平米(約30坪)
 延床面積:99.37平米(約32坪)
 構 造:木造在来工法
 外壁/内装仕上げ:サイディング/クロス、構造用合板
 建ぺい率:50.02%
 愛 車:1980年 メルセデス・ベンツ・W123 280CE

◆Owner’s Check
・ここがお気に入り
 2階のリビングにある大きな梁。山口社長が静岡県のヒノキ材を選んで、この家のために持ってきてもらいました。
・ちょっと失敗
 なるべく生活感を出したくないので、収納をもっと多くしておけばよかった。
・これからの夢
 ガレージに棚を造ることと、床に2×4材を敷き詰めること。時間がなくてなかなかできないのが悩み。
・読者へアドバイス
 気の合う建築家と出会って、気持ちよく仕事をしてもらうことが大事です。まずは建築家との出会いからですね。

◆Comment from a Garage Door Maker:株式会社レムコ
 K様には、知人を通じてレムコ製スティールフラットドア(明かり窓付)を導入していただきました。住宅の外壁とのマッチングもうまくいったようで、気に入って使っていただいているようでよかったです。
 東京都町田市鶴間280-3
 Phone:042-788-2688   http://www.remcodoor.com/ 

「ガレージのある家 Vol.24」掲載

photo/Nobuyuki-MORIGUCHI(森口信之) text/Jun-ISHIHARA(石原 淳)

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