Garage Life

「ガレージハウスを建てる!」 その夢を叶えるために建築家と練り上げた、コストバランスの良い家。【ガレージライフ】

愛知県の閑静な住宅街に竣工したガレージハウスは地下1階、地上2階の混構造の、建築家の経験とアイデアが光る家

愛知県の閑静な住宅街に建築されたガレージハウスは、オフィス街まで電車で約20分と人気のある一等地。ここに「近藤光一建築設計事務所」の近藤さんによって設計されたのが、A邸だ。施主のAさんは、クルマが増えてしまい悩んでいたのだが、将来の事業のために購入しておいた約56坪の土地があり、そこにガレージハウスを建てようと決意した。それは2016年のことだった。

Aさんは、ガレージハウスを計画したとき、住宅メーカーから工務店まで8社に設計プランと見積もりを依頼している。しかし、どのプランも決め手に欠けていたという。そんなときwebで見つけたのが、「近藤光一建築設計事務所」。HPには、ガレージを得意としていることや、これまでの作品が魅力的だったことにプラスして、近藤光一さん自身がフランス車が好きな建築家であることが載っており、これまでとは異なるプランが上がってくるのではないか、とAさんは期待しかなかったそうだ。

その後の打ち合わせ、ファーストブランで見たパースは、Aさんが希望していた5台が停められるガレージハウス。5台をすべてガレージに入れるプランではなく、2台はビルトインガレージ、3台はカーポートを使ってファサードを統一するプランであり、Aさんは夫妻でお気に入りとなった。設計は近藤さん、施工はAさんの指定で「有本建設」が行なって、2017年竣工している。

【写真15枚】2台はビルトインガレージ、3台はカーポートに。 

建築家・近藤さんはこれまでのガレージハウスの設計を活かして、コストをかけるところとコストダウンして予算に収めるところの、バランスを重視した。高低差のある土地を活かしてガレージはRC造として半地下に設計し、1,2階は木造在来工法による混構造に。シャッターで遮断はするが、1階の部分の温度低下を性能を上げることを重視して設計した。2階には子ども部屋、主寝室を設計するが、日当たりがいいため断熱性能は標準としてコストダウンを図っている。その結果、断熱性能が優れていて夏は涼しく、冬は暖かい家となっている、と奥様。

ガレージのスペースはビルトインガレージで、2台分のその床面はローラーストーンで仕上げている。3台のクルマはカーポートにすることで、母屋とは別構造となる。そしてカーポートの前に門扉を設けて母屋と統一してボリュームを出し、敷地を有効活用するなど工夫している。またインテリアに関してはA夫妻の希望を伺い、ホワイトで統一することで広く感じられるように工夫。和室を設計し、ゾーニングするためにスキップフロアにしている。

また、キッチンにはクリナップ製のシステムキッチンが導入されたが、来客時に目隠しができるように扉を設けるなど、機能を追加している。現在、ガレージにはキャンピングカー(設計時にはボート)を牽引するためのピックアップ・ハイラックスと通勤などに使用するツーリングモデルBMW F31、カーポートには納車されたばかりのトヨタ・プリウスPHV2台格納されている。
ガレージができたことで「雨に濡れることなく帰宅して、買い物も非常に便利になりました」とご主人は語る。コストのバランスを調整してもらい、満足したガレージハウスが建ち家族3 人と愛犬と暮らしている。建築家・近藤さんに出会えたことが運命だったに違いない。

◆Planning Data
 施 主:Aさん
 所在地:愛知県
 構造:地下RC造、1階、2階木造在来工法
 竣 工:2017年
 敷地面積:184.14平米(55.7坪)
 延床面積:169.74平米(51.34坪)
 外装/内装仕上げ:化粧サイディング張り、コンクリート打ち放し/クロス
 愛 車:2023年式 トヨタ・プリウスPHV×2
     2017年式 BMW・F31
     2020年式 トヨタ・ハイラックス ほか
 施 工:有本建設

◆Owner’s Check
・ここがお気に入り
 ガレージができたことで雨の日に気にならず買い物に行けることや、
 夏は涼しく、冬は暖かいデザインに優れた家が建てられたことが
 非常によかったです。
・ちょっと失敗
 特にありません。
・これからの夢
 家族でキャンピングカーで東海3県にしか旅行に行けていないので、
 遠方までいくことも計画してみたいですね。

◆Comment from an Architect:近藤光一建築設計事務所 近藤光一さん
土地の間口が広いことと高低差があったため設計に工夫が必要でしたが希望を叶えるガレージハウスの設計をさせていただきました。Aさんから紹介の「有本建設」さんにも協力していただきコストバランスを考えながらの設計となりましたが希望に見合ってよかった提案となりました。クルマが好きなので、これからもクルマが好きな施主さんとガレージハウスの設計ができたらと考えています。

photo / Keigo KIMURA(木村圭吾) text / Jun ISHIHARA(石原 淳)

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