水滴のように流れるボディと白タイヤによる独特の雰囲気に魅了
今回は、テクノNo.803ポルシェ1500スーパー(356クーペ)のご紹介です。私にとって、ポルシェ356のミニカーの中で最も気に入っているミニカーです。
昔から、流線形の美しいボディスタイルの極初期型の356クーペが好きで、このミニカーの存在を知ったのは、1967年の頃、私が小学3年生の時に購入した、保育社刊 中島 登著 「世界のミニカー」のテクノ・ブランドのモノクロページに小さく掲載されていた写真に一目惚れし、小学生の頃から憧れていたミニカーでした。
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車高が低く、まるで水滴のように流れるボディーディテールと白タイヤとの組み合わせによって醸し出された独特の雰囲気に魅了されていました。色々と調べてゆくうちに、このミニカーは、資料によると1952年型をモチーフに1954年頃から製造されたミニカーのようで、同ブランドが我が国に正規輸入された頃には既に絶版となっており、入手が非常に困難なミニカーということが分かりました。
中々巡り合うチャンスが無かったものの、今から40数年前以降、絶版品を海外から輸入したショップや海外から入手したコレクター等からの放出品の出会いのチャンスがあるごとにプレミア価格にて、好みの淡いブルーメタリックのボディカラーのものをホイールバリエーションも含めてコレクションして来ました。
ボディカラーは、今回ご紹介する以外に、シルバー、オレンジ、イエロー、エンジ、レッド等が確認されていますが、ボディカラーとの配色に応じ、白タイヤが黒タイヤに変更される場合もあります。
ホイールのバリエーションは私が知る限り5種類が確認されており、ダイキャスト製地肌のままのホイール、メッキされたブリキで覆われたもの、そのセンターにVWの刻印が入ったエラー品、ダイキャスト製ホイールをメッキして、センターに小さな突起があるタイプ(このタイプが最も見かけるタイプです)。最後に同社のオースチン・ヒーレー100やトライアンフTR2が履いていた、やや大径の黒タイヤのものが極少数存在しました。
また、淡いブルーメタリックにも、やや黄色味掛かったものとブルーが少々強い色味が存在しますが、表面のクリアー塗料が経年変化で黄ばんだためなのかは不明です。今回ご紹介する個体は全て大切にコレクションされてきたオリジナルの状態を約70年間保ち生き長らえてきたミニカー達です。今後も大切に保存し続けるつもりです。
この記事を書いた人
モデル・カーズ 「丸餅博士のヴィンテージ・ミニカー天国」並びにRM MODELS 「TRAM&CARS」に執筆中。愛車は1987年から所有している丸餅(’71 FIAT500L改)と1999年から使用している’91 メルセデス・ベンツ300E-24 (W124-031)。ヌォーヴァ・チンクエチェントと50年以上コレクションし続けているミニカーの啓蒙と伝道が使命。