初期モデルの方が車高が低くて好ましい
今回は、コーギーNo.318 ロータス エランS2のご紹介をします。
実車は、1962年9月にロータス エリートの後継モデルとしてデビューしました。エランは、エリートのFRP製フル モノコック ボディに対し、ボックス断面の強固な鋼板製バックボーン フレームに軽量で空気抵抗が更に減少したFRPボディを架装することにより、コンバーチブルモデルが可能となりました。
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また、エリートのSOHC 1200cc 75HPのコヴェントリークライマックス エンジンに対し、ロータスツインカム 1600cc(極初期は1500cc)105HPエンジン搭載により、エリートを凌ぐ高性能スポーツカーとしてデビューしました。
その後1964年10月にS2に進化し、初代S1との違いは、主にダッシュボードとテールランプのデザイン変更等でした。今回ご紹介するコーギーNo.318 ロータス エランS2は、実車の発表の翌年の1965年から製造されました。コーギー製のエランは、バリエーションを含め、当時製造された唯一のエランのミニカーとなります。
エランの最も魅力的な、チャーミングなフロント マスクを見事に再現した傑作と思います。
尚、No.319 にてロータス エランS2クーペが1967年から製造されました。こちらは、ダイキャスト製のHTが装着され、ダイキャスト製バックボーン フレームが脱着可能なギミックが装備されました。
また、同時期にロータス ギフトセットも販売されNo.319同様バックボーン フレームが脱着可能な通常品と異なるボディカラーのS2のコンバーチブルとHTモデル+バックボーン フレーム単体が含まれていました。但し、セットのエランには、No.318と同型の小径ホイール&タイヤが装着されていますが、通常品のNo.319には、より大径の放射状の溝が彫られたダイキャスト製ホィールにCORGI TOYSの文字が表現されたショルダー部の角張ったゴムタイヤを装着しています。
バックボーンフレームの脱着のギミックにより、車高が高くなり、今までの小径ホイールでは、ホイールハウスの間隔が大きくなってしまったため、大径ホイールの装着は歓迎しますが、車高が上がった事に変わりは無く、今回ご紹介するシャシー脱着ギミックの無い初期のミニカーの方が、車高が低く、好ましいディテールだと思います。
話をNo.318ロータス エランS2コンバーチブルに戻しますが、アクションはボンネットが開閉し、エンジンルームには、ロータスツインカムエンジンと2連のウェーバー キャブレターが再現されており、シートは可倒し、左右のサイドウィンドウが上下可動、スプリングサスペンション装着とレーシングドライバーのフィギュアが搭乗しています。更に特筆すべき部分として、トランクに、I’VE GOT A IN MY TANK(私は自分のタンクに入れました)の文字と共に、当時のEssoのキャラクターであった、Essoタイガーの顔が描かれたデカールが貼られている部分です。Essoガソリンの宣伝だったのでしょうか?
最後に、写真の白いエランは、1961~1969まで英国ABCテレビで放映されたドラマ「ジ・アベンジャーズ」の1966年に製造されたギフトセット(赤い1927年型ベントレーとの2台セット)のエランです。
この記事を書いた人
モデル・カーズ 「丸餅博士のヴィンテージ・ミニカー天国」並びにRM MODELS 「TRAM&CARS」に執筆中。愛車は1987年から所有している丸餅(’71 FIAT500L改)と1999年から使用している’91 メルセデス・ベンツ300E-24 (W124-031)。ヌォーヴァ・チンクエチェントと50年以上コレクションし続けているミニカーの啓蒙と伝道が使命。