未だに人気の衰えない名作
グンゼ産業(現GSIクレオス)製1/24スケール・プラモデルのポルシェ928Sと、その実車については、前編の記事(下の「関連記事」参照)にてすでに述べた。ここでは、作例の作者・渡辺氏による解説をお読みいただこう。
【画像30枚】ボディカラー調色やエンジン搭載などの制作過程を見る!
「グンゼのポルシェ928S、発売から年月が経ってそろそろ入手が難しくなりつつあります。ネットオークションでは当時の2~3倍のプライスが付くことからも、未だに人気の衰えないアイテムであることが分かります。
キットの内容はドア、ボンネット、リアゲートがオープン可能でエンジン、ドライブトレインまで再現されたフルディテールキットです。加えて車体とドライブトレインは別々に展示が可能であるように、タイヤとホイールは2セット用意されています。惜しいのは、前輪用のリベットとブレーキディスクが1セットのみであることで、別展示にしようとすると、リベットを用意しなければなりません。
作例に使用したキットは何回か版を重ねた物のようでありますが、金型の疲れは見られず、保存状態が良かったようで、リアゲートの他に一部のパーツに若干の変形があるのみでした。
前述のとおり車体とドライブトレインを別々に完成させることの出来るキットなのですが、残念なことにドライブトレインを単体で仕上げると、車体の方にエンジンを載せられず、エンジンルーム内が空っぽになります。せっかくフードが開けられるのですから、見えるパーツだけでも複製できないかと思い、ごく簡単にパーツのコピーを取って、車体の方にもエンジンを載せて組み立ててみました。
コピーには型取り材の“おゆまる”と紫外線硬化樹脂を使いましたが、この方法では片面のみのレリーフ状パーツしか作れません。エンジンブロックのような大きな立方体の場合は4~6面に分けて型取りするか、シリコン型にレジン注型という方法が適しています。
入手の難しいキットですが、今回の作例が何かの参考になれば幸いです」