フォルクスワーゲン・ゴルフのトップパフォーマンモデルに位置付けられるゴルフR。“R”の誕生20周年を記念した特別仕様車のゴルフR 20イヤーズでは、歴代最強のスペックを誇る。速さも実用性も一級品の快速ハッチバックだ。
最上、最強のゴルフ……。それが“R”の20イヤーズ
輸入ホットハッチの定番といえば、一番に思い浮かぶのがゴルフGTIだが、4代目ゴルフの時代に手強いライバルが現れた。それが、GTIと同じコンパクトなボディに3.2L V6エンジンと4WDを搭載することで、GTIを超えるパフォーマンスを手に入れたゴルフR32だ。
その後、ゴルフがモデルチェンジするたびに「Rモデル」も進化を続け、6代目ゴルフの時代にはエンジンを2L 直列4気筒ターボに変更したことで、ゴルフRと改称。7代目の時代にはワゴンのゴルフRヴァリアントを追加するなどし、GTIを超える人気モデルとなっていく。その流れは現行型のゴルフでも継続され、今回試乗したのは、ゴルフRの日本導入20周年を記念して発売された特別仕様車のゴルフR20イヤーズだ。
そもそも最新のゴルフRは、最高出力320psを誇る2Lターボに加えて、「Rパフォーマンス トルクベクタリング」を搭載する4WDを採用することで、ハンドリング性能を格段にレベルアップしたのが特徴だった。これに対して、ゴルフR20イヤーズは、さらに魅力的な装備や機能を追加搭載することで、ゴルフR史上最強のモデルに仕立てあげられたのだ。
2Lターボが13psアップの333psになったこと以上に注目したいのが、「Rパフォーマンスパッケージ」が装着されていること。2ピース構造の大型ルーフスポイラーと19インチアルミホイール、アクラポビッチのチタンエキゾーストシステムがおごられ、さらに、標準のドライビングプロファイルに加えて、ニュルブルクリンク北コースに最適化した「スペシャル」と、ドリフトが可能な「ドリフト」が利用可能。可変ダンピングシステムの「DCC」やベンチレーション機能を備えたナッパレザーのスポーツシートが標準装備になるのも見逃せない。
実際に走らせても、抱いていた期待は裏切られなかった。低回転から力強い加速を見せる2Lターボは、3500rpmあたりからさらに勢いを増し、6600rpmのレブリミットまで一気に駆け上がる爽快さ。スペシャルモードに切り替えるとDSGのシフトポイントが高まり、常に高回転を保つため、コーナーからの脱出などの場面ではアクセルペダルを踏んだ瞬間から間髪入れずに加速できるのがいい。しかも最新のゴルフRは、コーナリングの際にリア外輪のトルクを増すことでアンダーステアを打ち消すRパフォーマンス トルクベクタリングにより、ハンドリングは痛快そのもの。
一方、コンフォートやスポーツを選べば、街乗りにも十分耐えうる実用性を備えるのは、さすがゴルフである。一台で買物からスポーツ走行まですべてをこなす最上、最強のゴルフ……それがこのゴルフR20イヤーズなのだ。
【SPECIFICATION】VOLKSWAGEN GOLF R 20YEARS
■車両本体価格(税込)=7,928,000円
■全長×全幅×全高=4295×1790×1460mm
■ホイールベース=2620mm
■車両重量=1540kg
■エンジン種類/排気量=直4DOHC16V+ターボ/1984cc
■最高出力=333ps(245kW)/5600-6500rpm
■最大トルク=420Nm(42.8kg-m)/2100-5600rpm
■トランスミッション=7速DCT
■サスペンション=前:ストラット、後:4リンク
■ブレーキ=前後:Vディスク
■タイヤサイズ=前後:235/35R19
問い合わせ先=フォルクスワーゲン・グループ・ジャパン TEL0120-993-199
【ANOTHER RECOMMEND】アウディRS 3スポーツバック
ゴルフと基本設計を共有するアウディA3のなかで、とびきりスポーティなモデルがRS 3だ。ゴルフRに比べると価格は高めだが、2.5L直列5気筒ターボのエキサイティングなサウンドやより力強い加速が実に魅力的な一台。