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オリジナルボックスの雰囲気のあるイラストが魅力的で1950年代の時代感が味わえる!「ポルシェ356クーペ」【丸餅博士のヴィンテージ・ミニカー・ワールド】

356のチャーミングなスタイルを独特なデフォルメにて表現した傑作

今回は、キラル ポルシェ クーペ (356 A)のご紹介です。

【画像15枚】キラル製「ポルシェ356クーペ」ミニカーのフォトギャラリーを見る

シャシーにはPORSCHE COUPEと表記され、ボックスにはPORSCHE 356 Aと記されています。資料によると1958年から製造されたミニカーです。

フロントスクリーンがセパレートだった時代の名残として残っていたセンター部がV型のスクリーンから、カーブドグラスになっているため、1956~1959年まで製造された356Aタイプがモチーフとなっています。

同ミニカーは、フランスのブランドで、1957年から1959年頃までの極短期間のみミニカーを製造しており、珍しく各ミニカーの品番はありません。

その特徴は、独特にデフォルメされたボディーディテール、明るいボディカラーの2トーンカラー(一部1カラーもあり)とアルミ製ホイールと白いゴムタイヤから醸し出される明るい色彩です。

ミニカーの作りは、1950年代後半の製造であるため、一体成形のボディにブリキ製シャシーから成り立ち、シートやスプリングサスペンションも無く、後期のモデルから、透明のプラスチックのウィンドウが装着されたくらいの、とても簡素です。

今回ご紹介するポルシェ クーペは、少々腰高なプロポーションながら、ポルシェ356クーペの丸くてチャーミングなスタイルを更に独特なデフォルメにて表現したポルシェ356ミニカーの傑作です。

ボディカラーは、1色のものも存在しますが、ボディとルーフの色を変えた2トーンカラーが一般的なバリエーションです。残念ながら、我が国には正規輸入されていないミニカーです。

今回ご紹介するミニカーの個体は、今から半世紀近く昔に絶版専門店からプレミアム価格にて購入したものです。尚、近年を含め過去にオリジナルの金型から復刻したミニカーが2回程生産されましたが、オリジナルのヘッドライトやバンパーのシルバーの吹き付けが筆塗りに省略され、いずれも当時のオリジナルの魅力の再現までには至りませんでした。

今日の実車を3DスキャンやCADデータにて再現された精巧なミニカーに対し、職人が木型から製作した当時のミニカーは、各ミニカーブランドの特徴が反映された個性を持ち、現代の目で鑑賞すると、とても人間味のあるほのぼのとした造形に癒やされます。

また、当時製造されたポルシェ356クーペのミニカーの傑作、テクノ製とは、モチーフとなった実車の年式は多少異なりますが、どちらも甲乙付けがたい魅力を持った全く異なる表現であり、両者ともポルシェ356ミニカーの傑作だと思います。最後に、オリジナル・ボックスの雰囲気のあるイラストが魅力的で、1950年代の時代感が味わえて必見です。

この記事を書いた人

丸餅博士(門内 文明)

モデル・カーズ 「丸餅博士のヴィンテージ・ミニカー天国」並びにRM MODELS 「TRAM&CARS」に執筆中。愛車は1987年から所有している丸餅(’71 FIAT500L改)と1999年から使用している’91 メルセデス・ベンツ300E-24 (W124-031)。ヌォーヴァ・チンクエチェントと50年以上コレクションし続けているミニカーの啓蒙と伝道が使命。

丸餅博士(門内 文明)

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