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【比較試乗】ビジネスエクスプレスに使うならステーションワゴンかSUVか?「BMW X6 M vs アウディRS6アバント」

アウトバーンが整ったドイツだからこそ、その真価を存分に発揮できるハイパフォーマンスモデルが存在する。ここでは荷物をたくさん積んで、いち速く目的地に到着することができる高性能モデルを比較試乗。さてアナタならどちらを選ぶ?

ウルトラスムースなRS6、レーシングなX6M

クルマで“外遊び”をする人なら、SUVを選ぶのがあたりまえの時代、車高の低いステーションワゴンはかえって“個性的”に見える。なかでもアウディRS6アバント・パフォーマンスの個性はとびきりだ。RS6の48Vマイルドハイブリッド4L・V8ツインターボにタービンの大型化や過給圧アップなどを施して、プラス30psの630psを与えている。ローンチコントロールを使ってスタートダッシュすれば、「イチ、ニ、サンッ」と数えた3.4秒後には100km/hに達する。ノーマルRS6よりさらに0.2秒速い。控えめなアウディは『RSモデル史上最高のパワーと加速性能』なんて言っているが、これはぶっちゃけいま世界最強のステーションワゴンである。

BMW X6 M COMPETITION/試乗車は、Mハイ・パフォーマンスモデルにおいて初の48Vマイルドハイブリッドシステム搭載し、BMWらしい走行性へのこだわりと、高い実用性を兼ね備える。

なんて勇ましさを平常時には一切感じさせないのが“パフォーマンス”のスゴイところだ。走り出してまず驚くのは、エアサスによるゾクゾクするような乗り心地のなめらかさである。22インチ30%扁平(オプション)なんていうエアボリュームの少ないPゼロを履いているのが信じられない。
冷間始動時のひと吠えは控えめで、ものの数分で車内はぬくもる。ステアリングは最強のダイナミックモードでも快適な軽さを保ち、強力無比なブレーキもペダルのタッチは軽い。とにかくクルマから伝わるすべての感触が、真綿でくるんだようにやさしいのだ。肝心のエンジンは、ゼロヒャク加速3秒台の片鱗を味わっている時ですら、シルキースムースである。ワインディングロードでは2.2トンの車重を感じさせない軽い身のこなしにも感銘を受ける。欠点は1910万円の価格、くらいしか思い浮かばなかった。

BMW X6 M COMPETITION/エクステリアおよびインテリアデザインをよりモダンなデザインとした新型X6シリーズ。

電動テールゲートが開くと、奥行き116cmの荷室を見下ろせる。広いだけでなく、低い。約60cmの荷室地上高はX6より25cmも低い。かさものや重量物を出し入れするなら“荷台”は低いほうがいい。そこがステーションワゴンの美点である。
そんなハイエンドRS6と同道したX6は、これまたシリーズ最強のMコンペティションだ。乗り換えて走り出すと、さすがM印、ウルトラスムースなRS6より“レーシング”である。電子制御ダンパーの入った「アダプティブMサスペンション・プロフェッショナル」の足まわりは硬く、平滑な舗装路でも粒立ったゴツゴツ感を伝える。背筋がシャンとするようなスポーティな硬さだ。

AUDI RS6 AVANT PERFORMANCE/RS6パフォーマンスはターボチャージャーの大型化やブースト圧を引き上げることでRS6アバント史上最高のパワーを獲得。

エンジンは48Vハイブリッド化された4.4L・V8ツインターボで625psを発生する。パワフルなことは言わずもがなだ。V8サウンドはアウディよりもっとハイトーンで“聴かせる音”だから、エンジンの存在感も強い。その“Mパワー”を見ようとボンネットを開けると、複雑な形状の筋交いプレートがエンジンルーム内に張り巡らされていた。SUVのなかでもとびきりに感じたボディの剛性感に合点がいった。
ドライブモードを“トラック”にすると、車両の特性がサーキットベストに変わるだけでなく、横長の液晶ディスプレイの左半分が消灯し、競走に必要な情報だけが正面のパネルに出る。本気でニュルブルクリンク北コースのサーキット走行へ誘うSUVである。

AUDI RS6 AVANT PERFORMANCE

実際、ワインディングロードを走っていると、その自在感のおかげで2.4トンの車重も、縦5m×横2mのボディサイズも忘れさせる。というのは言い過ぎにしても、リフトアップしたM2コンペティションくらいに思えてくる。X6は見ても乗ってもサイズ以上にデッカく感じるクルマだと思っていたのだが、これは完全に別物だ。Mマジック、恐るべし。SUVでもスポーツカーのように運転を楽しみたい人にお薦めしたいクルマである。

【PERSONAL CHOICE】

BMW X6 M
SUVがここまでやるか、というくらいX6 Mはファン・トゥ・ドライブである。先代GクラスのAMGを抜いて、モストファンSUVだと思った。二千万円超の価格は天文学的だが、ここまでお金をかければ、SUVもこんなに楽しくなるってことで。

【SPECIFICATION】BMW X6 M COMPETITION
■車両本体価格(税込)=20,120,000円
■全長×全幅×全高=4955×2020×1695mm
■ホイールベース=2970mm
■車両重量=2400kg
■エンジン種類/排気量=V8DOHC32V+ツインターボ/4394cc
■最高出力=625ps(460kw)/6000rpm
■最大トルク=750Nm(76.5kg-m)/1800-5500rpm
■トランスミッション=8速AT
■サスペンション=前:Wウイッシュボーン、後:マルチリンク
■ブレーキ=前後:Vディスク
■タイヤサイズ=前:295/35R21、後:315/30R22

問い合わせ先=BMWジャパン TEL0120-269-437

【SPECIFICATION】AUDI RS6 AVANT PERFORMANCE
■車両本体価格(税込)=19,100,000円
■全長×全幅×全高=4995×1960×1485mm
■ホイールベース=2925mm
■車両重量=2200kg
■エンジン種類/排気量=V8DOHC32V+ターボ/3996cc
■最高出力=630ps(463kw)/6000rpm
■最大トルク=850Nm(86.7kg-m)/2300-4500rpm
■トランスミッション=8速AT
■サスペンション=前後:ウイッシュボーン
■ブレーキ=前後:ディスク
■タイヤサイズ(F:R)=275/35R21:275/35R21

問い合わせ先=アウディジャパン TEL0120-598-106

フォト=郡 大二郎 ルボラン2024年2月号より転載

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