ボンネット内には緑色に塗装されたツインカムエンジンがモールド
今回は、フランス ディンキー No.514 アルファ ロメオ ジュリアTIのご紹介をします。
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ほぼ60年前の1962年6月27日に、モンツア・オートドローム(有名なイタリア・グランプリ会場)にてアルファロメオ ジュリア ベルリーナが発表されました。当時はまだ一般的ではなかった開発段階で風洞実験を取り入れ、当時としては卓越した空気抵抗係数0.34の数値を記録し、「風がデザインしたクルマ」と発売時にその空力デザインをアピールしました。
フロント・ノーズが低くカットされ、テールは垂直に切り落されたコーダトロンカの個性的なボディデザインも有名となりました。また、衝突時のクラッシャブルボディの採用、1.6Lツインカムエンジン搭載による高性能なベルリーナ(セダン)として大ヒットしました。
その後ジュリアシリーズは、ジュリアスーパーや1.3Lモデル、ジュリア スプリント、スパイダー等多数バリエーション展開し、同社を中堅メーカーに発展させたシリーズでした。ご存じの通り、ジュリアの名称は、1.3Lエンジン搭載のジュリエッタの姉という意味から付けられました。
一方、フランス ディンキーのNo.514 アルファ ロメオ ジュリアTIは1966年から1971年まで製造されました。ボンネットとトランクが開閉し、ボンネット内には、何故か緑色に塗装されたツインカム エンジンがモールド。前輪操舵機構、スプリングサスペンション、フロントサイドウインドウの上下開閉機構、ヘッドライトとテールランプにジュエルタイプのライトを装着していました。
ボディカラーは、ホワイト、淡いグリーン掛かったアイボリー、グレー メタリックのバリエーションが存在しました。このミニカーは、プロポーションが素晴らしくジュリアTIの傑作モデルだと思います。
また、この金型を流用して1967年から1970年まで、No.1401として赤いボディカラーにフォクランプとデカールにて派手なラリー仕様にイメージチェンジされたモデルも併売されましたが、デカール等は架空の仕様でした。このラリー仕様の生産の方が、オリジナルより短命だったようです。
今回ご紹介するフランス ディンキー製ジュリアTIに対し、同時代に製造されたイタリア マーキュリー製のジュリアTIを比べて鑑賞すると、両ブランドの個性の違いが分かり楽しむことが出来ます。ディンキー製は、図面を基に几帳面に作った感があり、一方マーキュリー製の方は、感性を重点に、実車のイメージを再現した感が受け取れます。実車がとても個性的なデザインであるので、ミニカーも鑑賞が楽しめるミニカーだと思います。
最後に50年以上昔に製造されたミニカーなので、ボディの塗装の変色や、塗装の傷が各部に見られますが、逆にその部分も味わいとして鑑賞しています。
この記事を書いた人
モデル・カーズ 「丸餅博士のヴィンテージ・ミニカー天国」並びにRM MODELS 「TRAM&CARS」に執筆中。愛車は1987年から所有している丸餅(’71 FIAT500L改)と1999年から使用している’91 メルセデス・ベンツ300E-24 (W124-031)。ヌォーヴァ・チンクエチェントと50年以上コレクションし続けているミニカーの啓蒙と伝道が使命。