2008年に登場した6代目「日産・フェアレディZ」の「Z34型」。
そのビッグマイチェン型として2020年にプロトタイプが発表され、日本では2022年後半からデリバリーが開始されている”はず”の「RZ34」。初代Zを彷彿とさせる外観デザイン、エンジンのダウンサイジング(3.7L自然吸気→3.0Lツインターボ)など、車体の8割方が刷新されて、その評価、人気共に上々だが、街中で見かける機会は皆無に近い。
その理由は世界的な資材不足、半導体不足の影響による生産の遅れと噂されており、現在は新規注文を受け付けていないにもかかわらず、納車まで数年というのが現実だ。
そんなユーザー不在のまま、RZ34に2024年から追加ラインナップされることになったのが、高性能バージョンのNismoだ。Nismo仕様といえば「R35 GT-R」にも設定があるが、エンジン、シャシー、エクステリアのリファインはもちろん、車体骨格部分の強化などもメニューに入った硬派グレードである。
【写真12枚】街中で見かけることなど夢のまた夢!? まずは精緻なメイクアップ製ミニカーでNismoのディテールを確認せよ
RZ34もその例に漏れず。エンジンは数値上では15馬力アップの420馬力の最高出力を発揮し、変速機も含めてよりレスポンスを高めるためのチューニングが施されており、サスペンションも強化されている。
車体にはフロントには追加クロスメンバー、リアにはアンダーブレースやVバーを追加して補強。エクステリアは空力性能の向上、ダウンフォースの増大を狙って新形状のフロントバンパー、アンダーカバー、カナード、サイドシルなどが装備されている。
と、ここまで見れば、基準車比で300万円程度高い920万400円の対価を支払えるユーザーならば大満足の1台となるところだが、惜しむらくはこの「RZ34 Nismo」が誰にでも買えるクルマではなく、現時点で購入権があるのは「すでにRZ34の基準車を注文済みで、Nismoへの振り替えを希望するユーザーのみ」という点。つまり、たとえお金があっても買えないという事態を招いてしまっているのだ。
メイクアップではそんな生まれながらしてのレアカーを早くもモデルカー化。実車から採集・採寸した3Dデータを元に原型を設計した。1/43というスケールに合わせて各部の面表現やプレスラインを最適化し、灯火類などは実車のパーツ構成を分析して、可能な限り高い解像度での造形表現を試みている。また同車のモデルカーらしく、一台一台職人が塗り上げ、鏡面状態にまで研磨された”濡れたような”ボディの美しさを見れば¥34,100(税込)というプライスも納得だろう。