ポルシェ

【FIRST PICTURE】航続距離は600km以上、ターボモデルの最大トルクは1100Nm超え!フル電動マカン、降臨!「ポルシェ・新型マカン」

ポルシェのエントリーモデルかつSUVとして、発売から10年を経ても販売が好調なマカンがフルモデルチェンジを遂げた。昨今のカーボンニュートラルへの対応を踏まえ、2世代目ではフル電動化に舵を切ったマカンは果たして再び成功するのか?

二代目でフル電動化へと舵を切ったポルシェの英断

2030年までに全モデルの80%を電動化するというポルシェのグリーン戦略は着々と進んでいる。2023年にポルシェの総販売台数は32万台を超え前年比プラス3%に上ったが、その中で4年目に入ったBEVのタイカンは4万台以上が販売され、プラス17%と着実な伸びを見せている。

こうした成功を背景に、ポルシェは目標に対して次のステップに入る。現行マカンの電動化である。マカンは2014年の市場投入以来80万台以上が出荷され、昨年でも8万7355台を販売、カイエンに続く販売台数を誇るが、特に中国で人気が高く、現行モデルのおよそ50%は中国向けだ。また同様に東南アジア市場も有望である。

それゆえに今回のBEVバージョンの国際発表会はシンガポール中央にあるシルバー・ガーデンで、多くの中国人関係者らを迎えて開催された。

前置きが長くなったが、昨年の西海岸テストドライブを含め、長年に渡って開発が進められてきたBEVマカンには、マカン4とマカン・ターボの2モデルが用意されている。

アンダーボディに搭載されたリチウムイオンバッテリーの総容量は100kWhで、DC充電出力は最大270kW、急速充電では約21分以内に10%から80%まで充電することが可能だ。マカン4とターボの最高出力はが408psと639psで、最大トルクは650Nmと1130Nmを発生する。

まずマカン4だが、カレラ4を彷彿とさせる名前の通り、前後にモーターを搭載した4WDで、前後のトルク可変スピードは新たに設計されたePTM(電子制御ポルシェ・トラクション・マネージメント)によって、これまでのAWDシステムの5倍となる、10ミリセカンドでコントロールされる。システム最高出力は408ps、最大トルク650Nmを発生し、ダイナミック性能は0→100km/h加速5.1秒、最高速度は220km/hに到達する。そして床下に搭載された800Vのアーキテクチャーを持ったリチウム電池の容量は100kWhで、航続距離はWLTP複合テストで516〜613kmに達する。

シンガポールで行なわれた発表イベントでは、ポルシェAG取締役会会長のオリバー・ブルーメ氏(写真)と、スタイルポルシェ責任者のミヒャエル・マウアー氏が登壇した。

一方、マカン・ターボはシステム出力639ps、最大トルク1130Nmで、0→100km/h加速は3.3秒、最高速度 260km/hに達する。搭載バッテリーはマカン4と同一だが、航続距離は518〜591kmと発表されている。また充電能力は両モデル共に最大270kWで、DC急速充電器によって10〜80%までを21分以内で完了する。

新型マカンの開発にあたり、延べ350万km以上のテスト走行を実施。気温もマイナス30度〜50度、オフロードや砂利道、雪道、氷上などあらゆる状況でテストしたという。

ボディサイズは、ICE搭載モデルと比べると全長が58mm延び4784mm、全幅は1938mm、そして全高が1622mmへと微増、またホイールベースは86mm延長され2893mmとなった。この結果、特に中国で歓迎される後席の居住性が改善されたわけだ。

コクピットは、最新のデジタルユーザーインターフェースに加えて、吹き出し口やエアコンのスイッチ類など、アナログのコントロールエレメントも用意。インターフェイスには、曲面デザインの12.6インチインストルメントクラスターと10.9インチセンターディスプレイを含む、最大3つの画面を備えた最新世代のディスプレイが装備されるほか、ARによるヘッドアップディスプレイも初採用された。

後方へ長く延びたルーフとスラントしたリアエンドには、リトラクティブスポイラーが装備されるなど、様々な空力対策によって、Cd値が0.25へと改善され航続距離の延長に貢献している。

内外装のデザインも一新しよりモダンな印象に

クーペ風プロフィールを与えられたボディの細部デザインも大きく変わっており、フロントフェンダー上部には4ポイントのデイドライビングライトユニットが組み込まれ、オプションでマトリックスLED搭載可能なヘッドライトは、フロントエプロン左右の開口部内に移動している。

911やカイエンで見られた武骨なプラスチック製アプリケーションが廃止された結果、フロントから見たスタイルは、全体的に塊感が戻ってきた。使用されているプラットフォームは、タイカンやアウディe-tron GTと同じPPE(プレミアム・プラットフォーム・エレクトリック)で、サイドウインドーはフレームレスだ。この構造は本来オープンモデルを想定したソリューションだが、マカンにはもちろんその可能性はない。

そしてクーペ風になだらかに伸びたリアエンドでは、リトラクタブルスポイラーが組み込まれ、ボディ幅一杯に伸びた3D構造のリアコンビネーションライトユニットの中央にはポルシェのロゴが並ぶ。リアゲート中央にはマカン4あるいはマカン・ターボのエンブレムが読み取れる。ラゲッジスペース容量は、リアシートのバックレストを立てた状態で最大540L、倒せば1348Lのスペースが出現する。さらにフロントのボンネットの下には84Lのトランクも用意されている。

一方インテリアは、昨年のプロトタイプテストでも感じたのだが、キャビン、特にヘッドルームに余裕ができたように感じた。数値をよく調べてみると、床下にバッテリーがレイアウトされたにも関わらず、フロントシートはICE搭載モデルよりも28mm、リアでは15mmもヒップポイントは低くなっている事が分かった。

ヘッドライトは2分割されており、4灯のデイタイムランニングライトを備えたフラットなアッパーライトユニットは、フェンダー部に埋め込まれ車幅を強調。

操作系はタイカンに準じており、まずスタート・スイッチは当然ながら伝統に従ってドライバーの左側(右ハンドルでは右側)に、スイッチが上部に分かれたドライブセレクターは右側にレイアウトされている。そしてインフォテイメントはドライバー正面に12.6インチ・カーブド・コックピット・インストルメント。そしてダッシュボード中央と助手席前に10.9インチのタッチパネルが追加されている。

リアは3Dライトストリップの中央にポルシェロゴが配置されている。

またモダンなデザインのグリップバーで囲まれたセンターコンソールは、シフトレバーが消えたおかげでカップホルダーが手前の使い易い位置へ、さらにエアコン関連スイッチとシートヒータースイッチなどが視認性の高い前方へそれぞれ移動している。
大きく変わったのは車載OSで、アンドロイド・オートモーティブOSが新たに採用されている。その結果演算速度は一層早く、ボイスガイダンスなどでの情報量も増加している。さらにオプションで採用されたARナビゲーションはドライバーの視線10m先に87インチ相当の画面が投影されるのだ。

ラゲッジスペースは、標準状態で540L、後席を倒せば1348Lまで拡大が可能だ。

シャシー関連で新しいのは後輪操舵で、最大5度の舵角を持ち、ハイスピードでのレーンチェンジなどでは同位相でスタビリティを、そして30km/h以下の市街地走行では逆位相に動き、最小回転直径は11.1mと、ICEモデル(12.0m)よりも減少した。またマカン4はコイルサス、ターボは2チャンバーのエアサスが標準となっている。

フロントボンネット内にも84Lの荷室が確保されている。

ドイツでの価格は、19%の付加価値税込みでマカン4が8万3993ユーロ(約1360万円)、マカン・ターボは11万4576ユーロ(約1852万円)と発表されている。なお、日本での発売時期や価格などのアナウンスはまだない。

マカン・ターボには5本スポークの切削加工ホイールが装着。タイヤはグッドイヤー製で、フロントのサイズは255/40R22となる。

最後に現行のICE搭載マカンだが、欧州ではEUが要求するサイバーセキュリティ対策の追加搭載が不可能なため、間もなく発売が中止される。しかし日本を含め中国やアメリカなどの海外市場での販売は継続されるので、充電インフラなどに不安を感じる人たちには、結果的に選択肢が増えたことになるだろう。

【SPECIFICATION】ポルシェ マカン4
■車両本体価格(税込)=—
■全長×全幅×全高=4784×1938×1622mm
■ホイールベース=2979mm
■モーター最高出力=408ps(300kW)/—rpm
■モーター最大トルク=650Nm(66.3kg-m)/—rpm
■バッテリー種類=リチウムイオン電池
■バッテリー容量=100kWh
■一充電航続可能距離(WLTP)=613km

【SPECIFICATION】ポルシェ マカン・ターボ
■車両本体価格(税込)=—
■全長×全幅×全高=4784×1938×1622mm
■ホイールベース=2979mm
■モーター最高出力=639ps(470kW)/—rpm
■モーター最大トルク=1130Nm(116.1kg-m)/—rpm
■バッテリー種類=リチウムイオン電池
■バッテリー容量=100kWh
■一充電航続可能距離(WLTP)=591km
問い合わせ先=ポルシェジャパン TEL0120-846-911

フォト=ポルシェAG ルボラン2024年4月号より転載

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